研究課題/領域番号 |
21K21163
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
栗原 佳代 (大橋佳代 / 大橋 佳代) 岐阜大学, 医学部, 助教 (60910057)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 血液透析患者 / セルフケア / 見通し / 質的記述的研究 / 質的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
血液透析患者は、水分・食事・服薬・シャント管理等の自己管理が必要であり、高いセルフケア能力が求められる。先行研究において、血液透析患者は、自分自身が今後どうなっていくのかという予測をたてている、つまり“見通し”を持っており、それがセルフケア能力と関連することが明らかとなった。患者のセルフケア能力を向上させるために“見通し”を活用するには、そもそも患者がどのようにして見通しをもつのかを明らかにする必要がある。したがって、血液透析患者が見通しを持つプロセスを質的に明らかとすることとした。
|
研究成果の概要 |
本研究は、血液透析患者が今後の自分自身についての予測、つまり見通しをどのようにしてもつのかそのプロセスを質的記述的に明らかとすることを目的とした。6名の血液透析患者に半構造化面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行った。結果、3つのカテゴリーと13の概念が生成された。血液透析患者は、不安定な未来を見通さざるを得ない状況にありながらも、透析治療を受けることを容認し、“今”に集中することで、自分自身の身体の実感や血液データを頼りにトライアンドエラーを繰り返しながら小さな見通しを積み重ねていたことが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血液透析患者のセルフケア能力向上に向けた研究が数多く行われている中で、患者の“見通し”に着目した研究はない。したがって、本研究結果は血液透析患者のセルフケア能力向上に向け、“見通し”という新たな概念を活用するための基盤的研究としての意義がある。 本研究結果は、血液透析患者が見通しを持つために必要な要素および患者が見通しを持つことを阻害する要素を明らかにしたといえる。よって今後は本成果を活用し、患者が見通しを持てるような看護支援を検討・実施し、その効果を検証していくことができると考える。
|