研究課題/領域番号 |
21K21170
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
高橋 佳苗 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80726761)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 陽性的中率 / 陰性的中率 / F1スコア |
研究開始時の研究の概要 |
臨床検査は医療において重要な役割を果たしているが,臨床検査の代表的な特性指標である陽性的中率・陰性的中率は,有病割合に依存するために解釈や評価に問題が生じることがある.また,検査結果が3値以上に分類される場合,何らかのカットオフ値を定めて検査結果を2値化することにより臨床検査の特性指標を算出する必要があり,情報量の減少や,カットオフ値の決定に恣意的な操作が入る可能性がある. 本研究では,上述の問題に対応するために,[1]臨床検査の特性評価のための新たな指標および検定手法,[2]3値以上に分類される臨床検査の特性指標に対する新たな評価手法,を開発する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は以下の通りである. (目的1)臨床検査の特性評価のための新たな指標および検定手法の開発:①有病割合に依存しない陽性的中率(PPV)・陰性的中率(NPV)の性能評価指標の提案,②臨床検査における複数の特性指標を同時評価する検定手法の開発 (目的2)3値以上に分類される臨床検査の特性指標に対する新たな評価手法の開発:① macro/micro F1の統計的性質を明らかにし,信頼区間を構築,② 2つの臨床検査間のmacro/micro F1を比較する検定手法の開発 目的1の①については,学会発表を目指し,今年度も引き続き文献レビューおよびシミュレーションを進めた.②については,PPVおよびNPVの同時検定の手法を感度,特異度,PPV,NPVの4つの指標の同時検定に拡張した手法を開発し,The 37th International Workshop on Statistical Modelling (IWSM2023)にて発表した. 目的2に関して,①は昨年度までに完了している.②については,研究成果をThe 44th Conference of the International Society for Clinical Biostatistics(ISCB2023)にて発表した.また,論文が国際誌に採択された.さらに,目的2の内容を発展させ,3つ以上のF1スコアを同時に比較するための検定手法についても研究を進めた.研究成果はThe 25th International Conference on Computational Statistics (COMPSTAT 2023)にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的1の①「有病割合に依存しないPPV・NPVの性能評価指標の提案」については,文献レビューおよびシミュレーションに時間を要しているが,②「臨床検査における複数の特性指標を同時評価する検定手法の開発」は研究成果がまとまり,学会発表を行うに至っている. 目的2については,①「macro/micro F1の統計的性質を明らかにし,信頼区間を構築」,②「2つの臨床検査間のmacro/micro F1を比較する検定手法の開発」のいずれも研究成果がまとまり,②については2023年度に論文が国際誌に採択された.あわせて学会発表も行っている.また,目的2の内容を発展させた,3つ以上のF1スコアを比較する検定手法についても研究を進めることができた. 以上から,おおむね計画通りに進展していると判断し,区分(2)とした.
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今後の研究の推進方策 |
目的1の①「有病割合に依存しないPPV・NPVの性能評価指標の提案」については,シミュレーション及び論文化を進め,2024年度中の研究成果の発表を目指す.②「臨床検査における複数の特性指標を同時評価する検定手法の開発」については,研究成果がまとまり,2023年度に学会発表を行うに至ったため,終了とする. 目的2の①「macro/micro F1の統計的性質を明らかにし,信頼区間を構築」,②「2つの臨床検査間のmacro/micro F1を比較する検定手法の開発」については,これまでにまとめた研究成果について国内での周知を図るため,国内学会にて発表を行う.
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