研究課題/領域番号 |
21K21172
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
杉田 真理子 東海大学, 医学部, 講師 (70758929)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 洋上救急 / 遠洋救急 / 長距離搬送 / 長時間搬送 / 固定翼機 / 回転翼機 / 水難救助 / 救急医学 / 病院前救護 |
研究開始時の研究の概要 |
洋上救急では洋上の傷病者に医師や看護師を急送し治療を行いつつ陸上の医療機関に搬送する。遠洋海域まで洋上救急を行っているのは世界唯一のシステムである。約30年、850例、本邦で洋上救急の症例を積み重ねており、内科外科及び脳卒中や心疾患など急を要するもの、眼科など専門性が必要な症例など多岐にわたる。遠洋海域では医師接触までに時間を要し搬送中に行える検査や治療は限られるため最大限の治療効果を発揮させるべく知識と工夫が必要である。どのような治療がなされたか検討し今後の洋上救急出動事例においてより効果的な治療を行う事が可能になる。今回、本邦における 洋上救急、特に遠洋救急について症例をまとめ考察する。
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研究成果の概要 |
本邦の遠洋救急について、自施設の100症例の特徴を明らかにした。遠洋海域における救急患者は脳卒中、外傷、消化器疾患、心疾患・腎泌尿器疾患、呼吸器疾患・皮膚軟部組織・脱水症の順で多かった。患者の99%以上は男性で平均年齢は45.6歳、国籍は少なくとも41.7%以上が外国籍、傷病が発生した船舶の80.6%が漁船だった。死亡例は5例で傷病の発症から医師接触までの時間は平均で26.7時間を要していた。 遠洋救急は事前に患者情報が乏しい状況で遠方に出動する場合が多く限られた医療資源で長時間の任務にあたる。迅速かつ的確な医療を提供すべく平時より症例の共有と出動態勢の整備が重要になると考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
洋上救急制度は世界に誇る日本独自のシステムである。傷病者、船舶の国籍のいかんを問わず出動し本邦周辺海域の医療福祉に大きく寄与している。遠洋海域の洋上救急では、現場到着まで長時間を要し、船舶、航空機の乗り継ぎなど多職種の人材と多大な費用がかかる。しかし救命救急医学分野の一部のみ限られた人材で行われているため、医療者の中でもあまり知られていないのが実情である。そのため出動した事例について学術的な報告は少ない。今回、遠洋海域の洋上救急症例についての特徴が明らかになったため、船員または船客の予防医学や洋上救急協力医療機関で周知する事でより一層的確な医療提供が可能となった。
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