研究課題/領域番号 |
21K21174
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東洋大学 (2023) 相模女子大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
下島 優香子 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (60776029)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Listeria monocytogenes / UV殺菌 / 紫外線殺菌 / HACCP / 波長222nmUVC / 環境モニタリング / 簡易代替試験法 / 薬剤耐性 / 消毒薬耐性 / 3M病原菌自動検出システム / InSite L.mono Glo / Listeria属菌 / 簡易法 / 代替法 / リステリア |
研究開始時の研究の概要 |
食中毒起因菌であるListeria monocytogenesは、食品製造環境に定着し食品製品を二次汚染する危険を有する。食品製造業において最終製品や製造環境の本菌を対象とした検査を行い、汚染状況を把握すると共に衛生管理の検証につなげ、より高度な衛生管理システムの構築を目指す。 食品製造環境に定着する本菌の消毒薬耐性及び薬剤耐性を解析し、食品汚染防止の基礎資料とすると共に、ワンヘルスの観点からの薬剤耐性菌対策に貢献する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、人体に無害で細菌に効果があるとされる波長222 nmのUVCライトおよび405 nmにピーク波長を持つ白色LEDのL. monocyto-genesに対する効果を検証した。食品製造環境由来株L. monocytogenes LM22-17およびLM22-43を供試し、波長280 nm UVC LED、波長222 nm UVC、ピーク波長405 nm 白色LEDを照射して菌数の減少を調べた。 供試菌株約7 log cfu/mLを、直径9 cmのシャーレに20 mLずつ分注して波長280 nm UVC LEDを8 mW/cm2で、5、10、15、20、30、40、50、60秒間照射した後、菌数を測定した。波長222 nm UVCは0.5 mW/cm2で、10、20、40、80、160、240、480秒間照射した後、菌数を測定した。波長280 nmのUVCにより菌数は15秒(120 mJ/cm2)以降は<1.0 log cfu/gと、速やかに減少した。波長222 nmのUVCにより菌数は経時的に減少し240秒(120 mJ/cm2)でいずれも<1.0 log cfu/gとなり、波長280 nmのUVCと同等の殺菌効果が認められた。ピーク波長405 nm 白色LEDにより菌数の大幅な減少は認められなかったが、3回試行した際の平均値は遮光や蛍光灯よりも少なく、菌数を低減する可能性が示された。以上より、通常の照明をこれらのライトに置き換えることで、L. monocytogenesが低減される可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食品製造環境に定着して食品を汚染する可能性のあるListeria monocytogenesを制御する方法として紫外線殺菌が考えられるが、紫外線は人体に有害であり有人環境では使用が困難である。2023年度は、人体には悪影響を及ぼさずに殺菌効果はあるとされる波長222nmのUVCのListeria monocytogenesへの殺菌効果を検証することができた。この成果は食品製造環境における本菌の制御に貢献するものである。そのためおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に実施した、Listeria monocytogenesの薬剤感受性試験、消毒薬耐性試験および耐性遺伝子の検索を継続して行う予定である。研究で得られた成果をまとめ、学会発表および論文投稿を行う。
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