研究課題/領域番号 |
21K21175
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京保健医療専門職大学 |
研究代表者 |
坂本 俊夫 東京保健医療専門職大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60906139)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳血管障害 / リハビリテーション / スピリチュアリティ / 変容 / 生理学的指標 / 探索的研究 / 介入モデル |
研究開始時の研究の概要 |
脳血管障害者のリハビリテーション過程において身体機能回復が望めない場合には,がんなど死に直面した場合と同様に,生きる意味や価値を失うなどスピリチュアリティの変容が予測される. これまで,がんなど死に直面した対象者のスピリチュアリティの変容については研究により明らかにされているが,脳血管障害者特有のスピリチュアリティの変容やリハビリテーションにおいて効果的なスピリチュルケア介入については研究が進んでいない. そこで本研究では脳血管障害者のスピリチュアリティに関する変容を調査し,その結果をもとにリハビリテーションによる脳血管障害者のスピリチュルケア介入モデルを開発する.
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研究実績の概要 |
本研究では脳血管障害者へのさらに積極的に対象者のスピリチュアリティを考慮したリハビリテーションの必要性から,脳血管障害者のスピリチュアリティに関する変容の要因分析からリハビリテーションによる脳血管障害者のスピリチュアルケア介入モデルを開発することを目指している.第1段階として,脳血管障害者のスピリチュアリティ・スピリチュアルケアの介入について文献より解析した.第2段階としてスピリチュアリティの同定方法について.わが国で活用されている疾患特異的QOL評価のうち、海外で開発されたCVA者用のもの(Stroke-Specific Quality of Life:SQOLおよびStroke Impact Scale3.0:SIS3.0)をWHOのQOL評価(WHOQOL100)に含まれているSpirituality/religion/personal beliefs」と比較し頻出語の内容分析から明らかにした.そこで,第3段階としてSIS3.0日本語版で脳血管障害の自覚的影響度を確認し,リハビリテーションの過程におけるスピリチュアリティ変容の関連を調査し,一事例目の調査結果を分析した.この結果を現在投稿中である.第3段階として,理学療法士・言語聴覚士・作業療法士によるスピリチュアルケアモデルの実践に向けた観察評価について研究を進めている.この結果,リハ中の言語的メッセージは、がんや終末期でみられるスピリチュアルペインから「人生の意味(生きる意味・人生の目的・存在の意味など)」「尊厳や価値観」「苦しみの意味」「反省や罪の意識」などに関するものが参照可能であった.リハ中の非言語的観察では、「表情・顔色・雰囲気などの変化」「態度・行動の変化」「人間関係の変化」「持ち物・趣味・関心事の変化」について言動や表情などの変化を捉えられる可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は,第3段階としてSIS3.0日本語版での対象者自己評価とリハビリテーションセラピスト(PT/OT/ST)によるリハビリテーション実施時の言動や観察事項から,リハビリテーションの過程におけるスピリチュアリティ変容の関連を調査を計画していた.しかし新型コロナ感染症の影響もあり,2例目以降の対象者への研究説明機会に制限がある状況で,研究実施における環境整備の準備遅延が生じている.特に対象者(CVA者)の面接を含めたSIS3.0日本語版での対象者自己評価は,院内での感染予防の観点から中段の状況下にある.そこで,リハビリテーションセラピスト(PT/OT/ST)によるリハビリテーション実施時の言動や観察について,事例分析を進めることに留まった.このため,脳血管障害者のスピリチュアリティ変容の評価基準としてその基礎的データの調査についても検討も開始した.まだ予備研究の段階でありり研究がやや遅れている状況にある.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,これまでの第1段階「脳血管障害者のスピリチュアリティ・スピリチュアルケアの介入について総説」,第2段階「スピリチュアリティの同定における疾患特異的QOL評価方法の活用」,第3段階「SIS3.0日本語版および言語的・非言語的観察による事例のスピリチュアリティ変容分析」に加えて,第4段階として,リハ中の言動や表情などの変化を捉えられる手法として,従来の表情や言動によるスピリチュアリティ同定の手段と一般的な生理学的指標の関連を従来の指標と対象者の生理学的機能として脳波や眼球運動・心電図などを測定した結果からリハビリテーションよる脳血管障害者のスピリチュルケア介入モデルの一つ評価モデルの開発について着手する予定である.第3段階として脳血管障害者の事例分析を継続するとともに,第4段階の研究結果を対象者のスピリチュアリティの変容の同定について継続した研究を進める.さらに以上の結果から得られた情報からリハビリテーションの専門職によるスピリチュルケア介入モデルの指針をその時期や介入方法について考察を進めたいと考えている.
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