研究課題/領域番号 |
21K21180
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
大姶良 義将 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (60910338)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ユーザインタフェース / 概念モデル / 心理量 / 感覚量 / 可視化 / 感性デザイン / がん患児 / 評価ツール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,がん患児の苦痛を効果的に表現できる方法を明らかにすることである.医療現場では自身の苦痛の伝達が重要だが,主観的で個人差がある曖昧な感覚を表現することは大人でも難しい.身体的苦痛と心理的苦痛は互いに影響し合うとされており,両面の理解が必要であった.しかし同時に評価するものは見当たらなく,既存の心理的苦痛の評価スケールは語彙の少ない小児には適しておらず,小児の苦痛の把握には医療従事者とのコミュニケーションが肝要であった. 概念モデルを操作し動的に表現する方法ができれば,患児の興味を惹き,言語化することなく直感的な評価で苦痛の伝達が可能となり,評価時の負荷をさらに軽減することができる.
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研究成果の概要 |
タブレット端末上で動作し患者の自己表現を補助する評価ツール2種類の開発を行ない,看護学やデザイン学を専門とする研究協力者らと協議し改善点や特徴を検証した.評価ツールの使用は次のとおりである. Aタイプ)先行研究のアナログツールと同様のパネルとスライダーを用いたインタフェース.Bタイプ)概念モデルの大きさや位置を自由に操作し,動きの表現も行えるインタフェース. 競技の結果,概念モデルの造形に関する指摘や提案,各タイプの操作についての評価,自己表現だけでなく自己管理を補助するツールとしての有用性があることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
専門家らとの競技の結果,開発した評価ツールは自己表現の補助をするだけでなく,日々の自己管理を補助するツールとしての有用性が示唆された.医療現場では,患者の理解と治療指針の決定のため患者の苦痛を把握することは重要であり,患者中心の医療(PCM)・共同意思決定(SDM)・患者の主観に基づくアウトカム(PRO)のように,患者の主訴を重要視し医療者と互いに信頼し協力して治療を進める形態へと変化していることから,本研究の成果は,医療従事者とのコミュニケーション中の負荷の軽減や平時の自身の状態を把握することによる自己理解の促進,医療従事者の患者理解に寄与するものであった.
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