研究課題/領域番号 |
21K21183
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
冨田 浩輝 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 特任研究員 (10909261)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 感覚器 / 視覚 / 聴覚 / 軽度認知障害 / 日常生活活動 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的に進む高齢化社会において、認知症、および視覚・聴覚障害を有する高齢者人口が増加している。近年、視聴覚障害は、認知症との関連性が報告されているが、その因果関係にはさらなる検証が必要とされている。また、地域在住高齢者において、どの程度の割合で視覚・聴覚に自覚的症状を有しているのかは不明である。 本研究では、地域在住高齢者を対象に、大規模コホート研究にて、高齢者の視聴覚機能低下の実態を調査し、視聴覚機能低下と軽度認知障害との関連性を検証する。また、視聴覚機能低下が軽度認知障害者の生活に及ぼす影響を明確化し、認知症予防の対応策構築の一助となることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、老年症候群の一般的な症状である視覚や聴覚の感覚障害が、認知機能や日常生活活動にどのような影響を及ぼすかについて検証した。その結果、地域在住高齢者において、視覚と聴覚の両方の感覚障害を伴う二重感覚障害者の有症率は約11%であることが明らかとなった。これら二重感覚障害は、単一感覚障害や感覚障害がないものと比べ、軽度認知障害と有意に関連することが示された。さらに、二重感覚障害は、感覚障害がないものと比べ、手段的日常生活動作・知的活動・社会活動・生産活動を制限していることが示され、2年後の生活範囲の狭小化と関連することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界的に進む高齢化に伴い、視覚や聴覚障害、および二重感覚障害(視覚。聴覚障害が両方ある状態)者数は増加傾向である。本研究成果は、これまでの先行研究を支持するものであり、二重感覚障害が生活範囲の狭小化と関連することを示した最初の研究報告のため、今後の二重感覚障害者への予防策を講じる上で重要な知見になると考えられる。 加齢に伴う視力や聴力の低下は、最も一般的な老年症候群の症状であり、高齢期のアクティブなライフスタイルの妨げとなる可能性がある。そのため、要介護や認知症予防の観点からも、加齢に伴う視力や聴力の低下に対しては、治療可能な早期より適切な診断と治療の重要性が高まっている。
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