研究課題/領域番号 |
21K21189
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
垰夲 大喜 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60906725)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 前頭側頭型認知症 / 意味性認知症 / 進行性非流暢性失語 / ためこみ症 / ごみ屋敷 / frontotemporal dementia / hoarding disorder / たみこみ症 / FTLD-CDR |
研究開始時の研究の概要 |
前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia; FTD)は特徴的な人格、行動の障害、言語障害を呈するため、社会的に問題となる症例が存在する。特に高齢者の独居率が高まり、独居が可能な初期FTD患者の自宅がゴミ屋敷となってしまうという問題も顕在化するようになった。本研究では(1) FTDの重症度評価尺度の日本語版を作成し、信頼性、妥当性、反応性を検証し、(2) FTDにおけるため込みの実情とその要因を明らかにし、(3) FTDにおけるため込みへの介入法を検討することを目的とする。本研究の成果から、社会問題となっているごみ屋敷の対応策に関する重要な知見が得られることが期待される。
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研究実績の概要 |
研究1:日本語版FTLD-CDRの作成:昨年度、日本語版FTLD-CDRを作成した。 研究2:日本語版FTLD-CDRの信頼性、妥当性、反応性の検証:昨年度、ア ルツハイマー型認知症(AD)、行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)、意味性認知症 (SD)、進行性非流暢性失語(PNFA)と診断された患者50例リクルートし、初回の評価を実施した。今年度は半年後の評価を44例、一年後の評価を40例に対して行った。脱落の理由は死亡、身体疾患による入院、施設入所などであった。初回評価の解析にて、良好な評価者間・評価者内信頼性、妥当性が確認された。初回・半年後・一年後評価を用いた反応性の検証では、有意な差は得られなかった。この理由として、評価期間が短かったこと、重症例が多く含まれていたことなどが考えらえた。 研究3:FTDにおけるため込みの実態とその要因の検証:昨年度と同様に、今年度も研究2と並行して、同一対象に対し、自宅の散らかりの程度を9つの写真の中から選ぶ、ためこみ症状の写真評価尺度であるClutter Image Rating(CIR)を実施した。CIRは前頭側頭型認知症(FTD)で平均(SD):1.78(0.99)、ADで1.63(0.86)でいずれもカットオフの4を下回り、2群間で有意さはなかった。この理由として本研究は介護者がいる患者、もしくは入院している患者を対象としたことが考えられた。一方でカットオフを上回った症例が3例あったが、いずれも介護者に身体疾患があり、自宅の片づけが難しかった可能性が考えらえた。また、CIRと認知機能検査、精神症状、CDR、FTLD-CDRの相関解析を行ったところ、FTDではCIRと食行動異常、ADでは易刺激性と有意な正の相関があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の感染拡大により、患者の受診控えや関連施設からの紹介減少に繋がり、受診患者が減少したため、症例数は当初の予定を下回ったが、本研究の目的を達成するために十分な症例数が確保できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、本年度に収集したデータを用いて、今後学会発表および論文投稿を行う予定である。また、本研究では介護者がいる患者、もしくは入院している患者を対象とした影響もあり、ためこみ症状がない、もしくは軽症の患者が多かった。今後は独居、もしくは介護者が何らかの困難を抱えている患者も含めた研究が必要であると考えられた。
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