研究課題/領域番号 |
21K21209
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)) |
研究代表者 |
北村 智美 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)), 研究部, 研究員 (40908175)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 在宅医療 / 呼吸リハビリテーション / データベース研究 / ヘルスサービスリサーチ / 在宅ケア / 慢性閉塞性肺疾患 / 訪問看護 / 訪問リハビリテーション / 多職種連携 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者に対する在宅呼吸リハビリテーション(以下在宅呼吸リハ)は、頻回な通院等を必要とせず、身体機能が低下している患者や重症度の高い患者でも利用可能なサービスとして推進が期待されている。しかしながら、日本における在宅呼吸リハのケアプロセスや効果の実態については明らかになっていない。 本研究では、訪問看護・リハを中心とした多職種で行う在宅呼吸リハプログラムを作成することを目的に、①医療介護レセプトデータを用いてケアプロセス及び効果の実態調査を行い、②多職種に対して在宅呼吸リハのケアプロセス及び課題に関するインタビュー調査を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者に対する在宅呼吸リハビリテーション(以下在宅呼吸リハ)に関する多職種の介入内容を明らかにし、そのケアプロセス及び効果を可視化することを目的としている。 令和5年度は、訪問看護師・理学療法士・作業療法士による在宅呼吸リハビリテーションの実践内容に関して過去に行ったインタビュー調査の質的分析を継続し、日本在宅ケア学会誌に論文投稿・受理された。 また、1自治体の医療介護連結データ(医療・介護保険請求データ、要介護認定情報等)のデータの確認作業等を継続し、COPD患者の福祉用具の利用実態に焦点をあてた後ろ向きコホート研究を実施した。2015年4月~2020年3月の新規要介護認定者18,597名(年齢中央値81歳)のうち、COPD患者は769名(4.1%)だった。要介護2以下と要介護3以上で層別化し、年齢・性別・併存疾患等を調整後、要介護2以下(n=15,460)では、COPD患者は非COPD患者と比較して、手すりの利用が少なく(調整後オッズ比、0.74; 95%信頼区間、0.58-0.95)、入浴補助具をより使用していた(1.55; 1.07~2.27)。 要介護3以上(n=3,137)では、COPD患者は、非COPD患者よりも特殊寝台をより使用していた(1.47; 1.01-2.15)。COPD患者は非COPD患者に比べて、呼吸に負荷のかかる行為(軽度要介護者では入浴、重度要介護者では起居動作)を安楽にする住環境整備の利用が相対的に多く、COPD患者の入浴・寝床環境整備をすることは、息切れ等が楽になる生活支援に繋がる可能性が示唆された。 在宅呼吸リハビリテーションを行う際に、これらの住環境整備の視点も踏まえて内容を検討していく必要があると考えられる。本内容は学会発表を行い、論文投稿の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医療介護レセプトデータを用いた研究については、データの確認やクリーニング作業を行い、アウトカムの信頼性の評価を行った結果、一部分析計画の変更が必要であった。今年度は福祉用具の利用実態に焦点を当てた研究を行ったが、具体的な在宅呼吸リハビリテーションプログラムの検討までは達成できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
在宅呼吸リハビリテーションの利用者はエンドオブライフステージである方も半数程度いることが明らかになっており、レセプトデータを用いたCOPD患者におけるエンドオブライフケアに関する研究も進める。 研究期間を1年延長し、2024年度中に、研究結果の国際誌への論文投稿、知見の統合を進める。
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