研究課題/領域番号 |
21K21240
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 (2023) 川崎医科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
佐藤 宏樹 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (70901007)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 呼吸筋持久力 / 光学式容積変動計測法 / 呼吸リハビリテーション / 周術期の呼吸機能 |
研究開始時の研究の概要 |
呼吸機能は、複数の呼吸筋の協調的な活動により調整されている。身体活動では長時間か つ反復した呼吸運動が要求されることから、「呼吸筋の持久力」は呼吸機能の中で重要な役割を担う。しかし、呼吸筋の持久力を規定する要因が特定できていないことから、標準化された評価方法や持久力に着目した治療方法は普及していない。 本研究では、呼吸筋の持久力を規定する要因を特定するために、3次元動作解析と筋電図を併用して、複数の呼吸筋の活動を運動学的に分析する。さらに、開胸術患者の呼吸筋の持久力を経時的に評価することで、機能改善に向けた治療方法の開発へ応用する。
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研究実績の概要 |
研究実施計画の研究①にて健常若年者および高齢者を対象とし、漸増式呼吸持久力テスト(the Test of Incremental Respiratory Endurance:TIRE) 中に筋電計測と光学式容積 変動計測法(Optoelectronic plethysmography :OEP)を組み合わせた測定に関して、測定方法の確立を行なった。若年者と高齢者の違い(加齢性変化)に関して胸郭運動が, 若年者と比較して高齢者は胸郭の体積変化量が有意に低値を示し, 高齢者ではTIRE中の胸郭の体積上昇が早期に定常化する傾向がみられた. 呼吸筋活動に関して, PImax時(TIRE初期)の胸鎖乳突筋, 肋間筋, 横隔膜の二乗平均平方根(RMS)が, 若年者が有意に高値を示したが, TIRE後期のRMSでは高齢者においても若年者と同様の筋活動が生じている傾向が示されている. 加えて研究②では周術期患者の研究に関して、開胸術患者を対象として本測定方法を術前より実施した。術前と比較して退院時には約30%の呼吸筋力および筋持久力の低下が生じた。TIRE中の下部胸郭の可動性は顕著に減少、呼吸筋活動は肋間筋の活動低下に代償した腹部筋群や広背筋などの脊柱や骨盤体の安定化に寄与する補助筋の活動が上昇した。これらの結果は、国際誌への論文投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施計画の研究②における周術期症例の研究に関してCOVID-19の蔓延に伴う手術件数の減少により、目標症例数の確保に難渋しているため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の結果は、Respiratory Physiology & Neurobiology等での論文投稿を予定している。研究③以降の実際の臨床場面における呼吸筋トレーニングの効果検証を進め、症例報告なども検討して行きたい。
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