研究課題/領域番号 |
21K21254
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平林 卓己 神戸大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (20911150)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | がん悪液質 / 骨格筋 / 軽度高気圧酸素 / 有酸素運動 |
研究開始時の研究の概要 |
がん悪液質に伴う骨格筋の代謝障害の原因は,骨格筋内における酸素濃度の低下と筋毛細血管数の減少によって生じる低酸素状態である.筋への酸素供給量を増やす方法としては,血漿の溶存酸素濃度を高めることが可能な軽度高気圧酸素環境への滞在が有効であると考えられる.さらに軽度高気圧酸素下で有酸素運動を行えば,酸素供給路である筋毛細血管数も増加し,骨格筋の低酸素状態の改善に対して相乗効果が期待できる.本研究の目的は,がん悪液質の骨格筋代謝障害に対する軽度高気圧酸素下での有酸素運動の効果を検証することである.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、がん悪液質における骨格筋代謝障害への軽度高気圧酸素環境の効果を検証することである。最終年度では、前年度の実験から得られたサンプルを用いて解析を実施した。その結果、骨格筋代謝に関する第一の検証で、がん悪液質におけるミトコンドリア酵素活性の低下を軽度高気圧酸素が抑制する効果は認められなかった。第二の検証では、骨格筋内の微小循環について検証した結果、がん悪液質において軽度高気圧酸素環境は筋線維毎の毛細血管数の減少およびタンパク質レベルでの血管新生抑制因子の増加をもたらし、毛細血管退行を進行させることが確認された。研究開始時には、軽度高気圧酸素環境ががん悪液質における毛細血管退行を抑制するという仮説を立てていたが、実際の結果は仮説とは対照的に毛細血管退行を促進するものであった。この結果の原因を探索するため、酸化ストレスに関する追加解析を行ったところ、がん悪液質における軽度高気圧酸素暴露が通常気圧環境に比べて酸化ストレスを増加させることが示された。したがって、がん悪液質状態の骨格筋において軽度高気圧酸素環境による毛細血管退行が観察された原因として、酸化ストレスの増加が関与している可能性が示唆された。
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