研究課題/領域番号 |
21K21266
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
櫻屋 透真 朝日大学, 歯学部, 助教 (60912855)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膝関節 / 大腿神経 / 外側大腿皮神経 / 肉眼解剖学 / 末梢神経 / 皮神経 / 感覚神経 |
研究開始時の研究の概要 |
長年、国民病のひとつとされる膝関節の疼痛は、今日も様々な治療が試みられているが、根本的な治療法は確立されていない。その理由のひとつは、膝関節を支配する末梢神経には複数の神経が混在し、その分岐元が異なり、膝関節の疼痛を伝達する知覚神経線維の解剖学的情報、すなわち「膝の痛みの地図」に大きな空白が残されているために、術者の経験に左右される再現性の乏しい対症療法となることが多いからである。そこで、本研究では、空白の残る膝関節を支配する末梢神経の枝の関節内の走行と分布先を詳細に記録することで、解剖学的知見に基づいた膝関節の疼痛治療の標準化にとって必須となる「膝の痛みの地図」を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、膝関節における感覚神経を対象に、実体顕微鏡レベルの詳細な肉眼解剖学的解析と、組織学的解析を組み合わせることで、膝関節における感覚神経の分布を詳細に明らかにするとともに、その末端の位置および形態から、分布する感覚神経の機能や伝達経路、その過程で生じる障害についての解剖学的基盤を構築するものである。本研究によって、膝関節周囲の密性結合組織には、大腿神経前皮枝、外側大腿皮神経などの大腿に分布する皮神経の一部が分布することが明らかになった。またその神経は無髄神経であった。これらのことから、この神経は膝関節の鈍い痛みを伝達している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、膝関節の痛みを伝達する知覚神経の走行経路および詳細な分布先が明らかになった。現在、国民病のひとつとも言われる膝関節の疼痛に対して様々な治療が行われているが、関節の疼痛を伝達する知覚神経線維の解剖学的情報、すなわち「膝の痛みの地図」に大きな空白が残されているために、術者の経験に左右される再現性の乏しい対症療法となることが多い。本研究はこうした疼痛治療に対して、新たな根治治療を創出するための、解剖学的基盤を提供しうるものである。
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