研究課題/領域番号 |
21K21276
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
景行 崇文 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (50913844)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バイオメカニクス / 動作分析 / 筋力 / 肩関節 / オーバーヘッド動作 / 動産分析 |
研究開始時の研究の概要 |
テニスのサーブやバレーボールのスパイクなど、オーバーヘッド姿勢での肩関節の爆発的な伸展は様々なスポーツに必要な動作である。特に棒高跳では、ポールの湾曲が大きいほどパフォーマンスが高いことが明らかにされており、ポールの大きな湾曲には、オーバーヘッド姿勢での肩関節屈曲伸展動作が重要であることが先行研究や指導現場で示唆されている。しかしながら、パフォーマンスと関係する具体的な上半身の動作や体力は明らかにされていない。 そこで、本研究では、棒高跳を専門とする男子学生競技者16名を対象に、跳躍動作を分析し、筋力を測定することで、パフォーマンスの優れた競技者が有する上半身の動作の特徴および体力を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,棒高跳競技者の身体をセグメントリンクモデル化することで跳躍動作を分析した上,数学的な処理を施して跳躍中の肩関節で発揮されたトルクの推定を試みた.加えて,筋機能評価運動装置を用いた肩関節の等速性伸展筋力および回旋筋力を測定し,それら筋力と跳躍中に発揮された肩関節トルクとの関係を検討した. その結果,肩関節が180°近く屈曲した姿勢になる踏切足離地付近で最も大きな肩関節伸展トルクが発揮されていた.一方,跳躍中の肩関節伸展トルクの最大値と等速性伸展筋力および回旋筋力の最大値との関係は弱かった.この結果より,跳躍中に求められる肩関節周りの力発揮能力は競技特異的であると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では両肩関節の和であるが,オーバーヘッド姿勢の踏切時に平均10Nm/kgの肩関節伸展トルクが発揮されていた.オーバーヘッド動作は,バレーボールのスパイクやテニスのサーブなど棒高跳以外の競技でも行われるため,本研究の知見は他競技でも競技に特化したトレーニングの重要性を示唆するものである. また,棒高跳競技者の障がい好発部位は腰部であることが報告されており,オーバーヘッド姿勢かつ肩関節での大きな伸展トルク発揮が要求される棒高跳特有の動作が腰痛を招くリスクの一つである可能性がある.そのため,本研究の結果が棒高跳の技術理解を深め,棒高跳の合理的で安全なトレーニングの一助になることが期待される.
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