研究課題/領域番号 |
21K21277
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
清重 映里 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (30911432)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | AI / 循環器 / 疫学 / 予測モデル / 薬剤副作用 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全患者の多くは併存疾患を有するため治療薬選択が困難である。昨年、従来薬と比較し4剤併用(ARNI、SGLT2阻害薬、MRA、β遮断薬)が、死亡・悪化リスクを回避すると報告された。しかし当報告は、複数の既存RCT試験の結果を統合したシミュレート値であり、実際に得た観測値ではない。また、その4剤は単剤使用でも有害事象が報告されている。本研究は、観測データに基づき、急性期心不全入院患者を対象に、4剤併用が死亡・心不全悪化リスクを軽減するかを検討する。加え4剤併用の副作用回避方法の探索のため、予測モデルでアウトカム発症予測確率を低下させるため反実仮想AIを作成し、暴露要因修正案を提案する。
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研究成果の概要 |
心不全患者の治療薬選択は困難であったが、4剤併用(ARNI、SGLT2阻害薬、MRA、β遮断薬)で死亡・悪化リスクが回避可能となった。現状の報告はシミュレート値のものであるため、本研究では観測データにて、4剤併用が心不全悪化リスクを軽減するかを検討し、その回避方法を提案した。まずXGBoostで重篤な心疾患イベント発症(MACE)の高精度予測モデルを作成し(AUC=0.91)、その有用変数として尿素窒素値、収縮期血圧、慢性腎臓病の既往、心不全歴、トロポニン値が選出された。得られた結果から心不全発症前からの一次予防の重要性、血圧管理が示唆され、臨床上妥当な解釈を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全患者における重篤な心疾患イベント発症(MACE)を従来のモデルより高精度に予測でき、加えMACE予測に有用な変数は先行研究を支持するものであり、MACEに効果的な4剤併用(ARNI、SGLT2阻害薬、MRA、β遮断薬)よりも影響があると明らかになった。AIは従来の統計モデルよりも自由度が高いため、実臨床での日常業務で収集したデータをそのまま使用する事が可能である。本研究は、実臨床にある膨大なデータをAIにて分析可能にし、心不全患者の寿命の延伸とQOL向上に有用であることを示唆した。
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