研究課題/領域番号 |
21K21282
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
清水 伸高 東京工業大学, 工学院, 助教 (10910127)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 確率過程 / ランダムグラフ / 平均時計算量 / 合意モデル / 分散アルゴリズム / コミュニティ検出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は合意モデルと呼ばれるグラフ上の確率過程を応用してネットワークのコミュニティ検出を行う分散アルゴリズムとその理論解析を行う. 既存のコミュニティ検出アルゴリズムのほとんどは並列計算の特性を活かしきれなかったり, または複雑な分散処理や計算ノード間の通信量に課題が残る. 本研究で考案するアルゴリズムは単純な分散処理に基づくため, 高速かつ簡単に実装でき, これらの課題を解決することが期待される.
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研究成果の概要 |
グラフ上の合意モデルと呼ばれる確率過程をコミュニティ検出に応用できないかを理論的に研究した。具体的には、コミュニティ検出のベンチマークとしてしばし用いられる確率的ブロックモデルと呼ばれるランダムグラフ上でのk-Majorityと呼ばれるプロトコルの振る舞いを調べた。合意モデルの文脈では完全グラフという非常に単純なグラフ上での振る舞いの解析がほとんどであるが、それよりも複雑なグラフでの解析が部分的に進展した。本研究では、特定の状況下でのk-Majorityの性能を示した。また、コミュニティ検出と深い関わりがある埋め込みクリーク問題と呼ばれる問題に対して計算量下界の改善を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はグラフ上の確率過程の解析とランダムグラフの計算複雑性という二つの成果を得た。前者の成果は、これまで完全グラフ上での振る舞いしかよく分かっていなかった合意モデルの振る舞いを、より複雑な確率的ブロックモデル上で解析することを可能にした。後者の成果はコミュニティ検出に関係のある埋め込みクリーク問題に対して、困難性の増幅と呼ばれる結果を示すことに成功した。この結果を得るにあたって新たに提案した枠組みはより幅広いクラスの問題に対して適用することが可能であり、理論計算機科学において非常に重要な意義を持つ。
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