研究課題/領域番号 |
21K21291
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
阪井 祐太 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (70907849)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 情報理論 / スムースエントロピー / カットオフエントロピー / 可変長データ圧縮 / Guessing問題 / タスク符号化問題 / 高次漸近論 / エントロピーの工学的意味づけ / シャノン理論 / 漸近解析 / スムースレニーエントロピー / 情報スペクトル的手法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,情報理論において比較的新しい情報量「スムースレニーエントロピー」を用いて,データ圧縮,推測問題,乱数生成問題などの複数の工学的問題を統一的に定式化する手法の提案を試みる.特に,条件付きスムースレニーエントロピーの定義を模索し,工学的に重要なテーマである複数ユーザ存在するネットワーク問題への拡張を目指す.さらに,本テーマに対して「情報スペクトル的手法」を確立し,極限定理を組み合わせた精密な漸近展開の導出を目指す.最終的に,様々な工学的問題の数理的限界を,スムースレニーエントロピーを用いて導出する方法を考案し,漸近論の視点からの工学的問題の新たな分類を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究課題では、条件付きスムースレニーエントロピーによる工学的諸問題の性能限界の特徴づけと、それによる漸近解析を調査した。結果として「データ圧縮問題」や「Guessing問題」や「タスク符号化問題」といった、複数の情報理論的問題において条件付きスムースレニーエントロピーによる不等式評価を証明し、様々なエントロピーの操作的意味づけを定式化した。また、マジョライゼーション理論によりスムースエントロピーをカットオフエントロピーとして評価する議論を介し、エントロピーの漸近解析を行った。これらの不等式評価と漸近解析は独立した解析であり、本研究によって異なる工学問題を統一的視点より解析する手法を築いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題により、様々な工学問題への解析手法として情報エントロピーによる統一的アプローチを展開した。本研究課題で中心的に扱ったスムースエントロピーは、情報セキュリティの文脈で定義された比較的新しいエントロピーである。エントロピーは情報理論のみならず、統計力学、情報熱力学、量子情報処理、関数解析、組合せ論といった様々な工学・物理・数学分野にて用いられる量的解析手法である。エントロピーの操作的意味づけを行い、様々な工学問題を統一的に理解する試みは、こうした他分野への展開を期待するものであり、応用と理論の両側面において科学技術を発展させる基盤構成となることを望んでいる。
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