研究課題/領域番号 |
21K21314
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 山梨大学 (2023) 金沢大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
鳥谷 輝樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (00911223)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 聴覚フィードバック / 気導音声 / 骨導音声 / 自己聴取音 / 伝達特性 / 自己聴取音声 / 側頭部振動 / 外耳道内放射 |
研究開始時の研究の概要 |
発話者は,自ら発した音声を自ら知覚する「聴覚フィードバック」により,種々の音環境下で円滑な発話を継続できる.自己聴取音声は気導・骨導という二種類の経路により伝達されるため,聴覚フィードバック機構の解明には気導・骨導の両経路による伝達過程の理解が不可欠である.従来知見では気導経路による音声伝達過程をベースに聴覚フィードバック機構の説明が試みられている一方,骨導経路での音声伝達過程については統一的な理解に至っていない.そこで本研究では,骨導伝達系の有する伝達特性を明らかにするとともに,気導・骨導経路の各々の知覚的寄与を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,気導・骨導経路による自己聴取音声の伝達過程を明らかにすることを目的に.① 発話器官から聴覚器官に至る骨導伝達系の周波数特性を物理測定した.また,② 得られた伝達特性を用いて骨導音声を模擬することで,気導・骨導経路の知覚的寄与を推測した. 成果として,① 中耳・内耳に直達する骨導伝達経路と外耳道内に放射される骨導伝達経路では互いにことなる伝達特性を有することが分かった.また,② 骨導経路全体では気導経路と概ね同等の知覚的寄与を有し,骨導経路では外耳道内に放射される骨導経路の寄与が大きいことが分かった.本成果により,発話において骨導音声知覚が一定の役割を果たす可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発話者が自ら発した音声を自ら知覚する「聴覚フィードバック」という機構の存在が知られている.これまで,骨導音観測の難しさ等から,聴覚フィードバックにおける骨導音声知覚の役割は未解明であった.本研究では,骨導音の物理計測に加え,過去の生理学的知見等から自己聴取音伝達経路を仮定し,情報科学的なアプローチで自己聴取音知覚における骨導経路の役割を推測できた.得られた知見は,骨導聴取技術を用いた新しい発話支援等に応用できることが期待される.
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