研究課題/領域番号 |
21K21315
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
田村 秀希 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40908612)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 質感 / 瞳孔 / 光沢感 / 魅力 / 線形混合効果モデル / 画像特徴量 / 高級感 |
研究開始時の研究の概要 |
嗜好,欲,価値判断といった個人の行動・心の動きに影響を与える「心を動かす質感」が,どのような瞳孔反応に反映されるのかを明らかにする.具体的には,物体の質感を評定する心理物理実験中の瞳孔反応を計測し,その瞳孔反応を用いて評定値の推定および質感分類モデルの構築を実施する.これにより「心を動かす質感の認知は何から生まれるか」という問いに対して,生理心理学・計算機科学を組み合わせた視点からエビデンスを得る.
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研究成果の概要 |
本研究は,心を動かす質感の認知状態と相関のある瞳孔反応特徴を明らかにし,それを予測するモデルを構築することが目的である.具体的には,光沢感評定と瞳孔径計測を同時に行う心理物理実験を実施し,そのデータをもとにモデル構築を行った.その結果,光沢感評定値が高く評価された画像を観察中には瞳孔径がより縮瞳することがわかった.加えて,線形混合効果モデルにより,瞳孔径変化を最もよく予測する要因が何なのかを検証した結果,光沢感評定値が高く,画像の輝度分散が高いときに,瞳孔径の縮瞳が有意に予測された.これは物体表面のハイライトによって生じる「輝いて見える認知的要因」が瞳孔径を縮瞳させることを示唆する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,光沢感の持つ認知的要因が瞳孔径変化にどのような影響を与えるかを初めて明らかにしたものである.今回発見した質感知覚と瞳孔反応の関係性から,瞳孔径を外部から輝度変化させることでその大きさを調整させ,質感知覚を変調できるようにかもしれない.こうしたアプローチは,視覚系における質感認知の階層構造モデル仮説の検証に有効である.加えて,観察者の瞳孔反応からどのようなモノに対して心を動かされているかを推定できるようになれば,より良いものづくり,マーケティング,デザインにも寄与できる.
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