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レーザー熱刺激を用いた新型人工内耳の開発:長期装用時の安全性と知覚の安定性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K21322
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
研究機関同志社大学

研究代表者

玉井 湧太  同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (70906627)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード赤外光レーザー刺激 / 補聴器 / 安全性 / スナネズミ / 聴性脳幹反応
研究開始時の研究の概要

本研究計画では、外科手術を必要としない、赤外光レーザー人工内耳の開発を目指す。神経細胞膜中のイオンチャネルの多くは、熱に対する感受性を持つため、赤外光レーザーを照射することで神経活動を誘発できる。本研究では、レーザー人工内耳のヒトへの実用化を目指し、レーザーの長期照射時の聴覚末梢への影響や知覚の安定性について検証する。具体的には、レーザー刺激が聴覚末梢や知覚に障害を与える露光量を特定し、レーザー刺激の安全域を定量化する。

研究実績の概要

本研究の目的は、外科手術を必要としない、赤外光レーザー人工内耳の開発である。本研究では、レーザー人工内耳のヒトへの実用化を目指し、レーザーの長期照射時の聴覚末梢への影響や知覚の安定性について検証した。具体的には、スナネズミを対象としてレーザー刺激が聴覚抹消や知覚に障害を与える露光量を特定した。
レーザー刺激の安全域を定量的に評価するために、頭部を固定したスナネズミに音に対する古典条件づけを行い、音刺激(70 dB SPL)と報酬(水)の関係性を学習させた(例:音刺激が提示されたときに反応した場合に水を与える)。スナネズミの口元に飲み口を設置し、音刺激を報酬無しに提示した際の舐め行動を条件反応とした。訓練完了後、20、35、50、65、80、95 dB SPLの音刺激に対する行動応答を計測した。その後、スナネズミの外耳道に光ファイバー(直径:100μm)を挿入し、異なる露光量のレーザー刺激(0.06、0.12、0.24、0.96、3.82 mW)を15時間連続照射し、レーザー照射中の蝸牛応答とレーザー照射後の音刺激に対する行動応答を計測した。
結果として、露光量が3.82 mWのレーザーの連続照射によってスナネズミの行動応答は大きく減少し、コントロール条件の±95%信頼区間の範囲(安全域)から外れたが、0.06-0.96 mWの露光量でレーザーを連続照射した条件では行動応答の減少は安全域の範囲内に収まった。また、3.82 mWのレーザー照射により誘発された蝸牛応答は、レーザー照射後1時間以内に大きく減少したが、0.06-0.96 mWのレーザー照射ではほとんど減少しなかった。これらの結果は、0.96 mW以下のレーザー刺激を人工内耳に安全に適用できる可能性を示唆している。

報告書

(1件)
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 人工聴覚器の進歩:赤外光神経刺激法の人工内耳への応用2021

    • 著者名/発表者名
      玉井 湧太、上中 望生、小林 耕太
    • 雑誌名

      人工臓器

      巻: 50 号: 3 ページ: 195-198

    • DOI

      10.11392/jsao.50.195

    • ISSN
      0300-0818, 1883-6097
    • 年月日
      2021-12-15
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Feasibility evaluation of transtympanic laser stimulation of the cochlea from the outer ear2021

    • 著者名/発表者名
      Uenaka Miku、Nagamura Hidekazu、Hiryu Shizuko、Kobayasi Kohta I.、Tamai Yuta
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: 1 ページ: 1-18

    • DOI

      10.1101/2021.11.08.467672

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 赤外光レーザー人工内耳の実現可能性: 経鼓膜レーザー刺激が誘発する知覚の評価2022

    • 著者名/発表者名
      上中望生, 玉井湧太, 岡本彩, 細川慶人, 伊藤優樹, 宮坂知宏, 兎田幸司, 飛龍志津子, 小林耕太
    • 学会等名
      第99回 日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 経鼓膜レーザー刺激が誘発する聴知覚の評価2022

    • 著者名/発表者名
      上中望生, 岡本彩, 細川慶人, 伊藤優樹, 宮坂知宏, 兎田幸司, 飛龍志津子, 小林耕太, 玉井湧太
    • 学会等名
      第12回 東京若手心理学者の会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] イヤホン型人工内耳の開発:赤外光神経刺激が生み出す聴覚知覚の解明2022

    • 著者名/発表者名
      玉井湧太
    • 学会等名
      日本音響学会2022年春季研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Does infrared laser irradiation from the outer ear elicit auditory perception?2021

    • 著者名/発表者名
      Aya Okamoto, Miku Uenaka, Shizuko Hiryu, Kohta I. Kobayasi, Yuta Tamai
    • 学会等名
      第43回 日本比較生理生化学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] イヤホン型人工内耳の開発:赤外光レーザー刺激が生み出す知覚の内容の評価2021

    • 著者名/発表者名
      細川慶人, 岡本彩, 上中望生, 玉井湧太
    • 学会等名
      第24回 関西支部若手研究者交流研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2022-12-28  

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