研究課題/領域番号 |
21K21325
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大澤 友紀子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80909200)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 材料認識 / 熱計測 / 温度制御 / ロボットスキン / 接触認識 / 伝熱 / 熱物性 / 制御システム / システム統合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人間の温熱感覚が担う「接触物の認識」をロボットに実現させることを目的とする。接触対象物の熱物性を温度に依らず抽出するため、ロボット表面と接触物の温度差を能動的に作り出す温度制御機能を、柔軟なロボット外装に搭載する。またそれを用いた、温度制御系一体型の認識アルゴリズムについて検討する。本研究はロボットによる工場ラインの仕分けや人が立ち入れない場所での作業など、人間支援ロボットの活用範囲を広げる基盤技術の一つとなることが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、熱情報に基づく材料認識の精度向上を目的とした接触対象物の認識システムを構築した。温度調節機能を搭載した機械(ロボット)外装の開発、時系列温度データベースを用いた接触対象物の認識アルゴリズム、とハード・ソフトウェア双方の観点から、積極的に熱を取り入れた手法について検討を行った。対象物の温度に応じてロボットグリッパーの温度調節を行うことにより、従来問題であった環境の変化による認識精度の劣化を防ぐことを可能とした。また金属や木材など熱特性が大きく異なる材料に加え、触覚センサ等では分類が難しい金属同士についても、温度情報に基づく機械学習により高精度な分類を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では外装表面の温度制御により、接触物の温度に依存せず材質の特性のみを抽出した熱流の取得を可能とし、それに基づく独自の材質認知手法を構築した。このような温度調節機能が備わった柔軟なロボット外装は未だに実現されておらず、高精度の認識が必要とされる製造・医療現場など,幅広い分野での活用が見込まれる(社会的意義)。また本研究課題を遂行する中で、熱力学・制御工学のみならず情報工学・材料工学など複数の工学分野を統合した新学問領域としての基礎理論の一提案ができたと言える(学術的意義)。
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