研究課題/領域番号 |
21K21338
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
野田 祐作 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子バイオ基盤研究部, 研究員 (40865838)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | セシウム / 放射線イメージング / ポプラ / リンゴ / ポジトロンイメージング / 季節変動 / RIイメージング / 葉面吸収 / 季節変化 |
研究開始時の研究の概要 |
放射性セシウムは栄養元素の輸送メカニズムに乗じて樹木内を移行し、季節に応じた再転流によって生物学的半減期よりも長い間樹木内に留まることから、今後も起こり得る原発事故時のリスク評価を困難としている。この鍵を握る再転流だが、いつ、どのように樹木内を巡るか?その詳細については不明な点が多い。本研究では、樹木ポプラを用いて、植物育成庫内で再現された各季節における葉から幹、根、新芽への放射性セシウム輸送過程を、オートラジオグラフィーとポジトロンイメージング技術で捉え、樹木内のセシウム輸送の季節変動機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究計画では、樹木のセシウム輸送を可視化するため、Cs-127を用いたリアルタイムイメージング実験系を構築した。 当初の計画ではモデル樹木ポプラを用いる予定だったが、マシンタイムのキャンセルや生育不良で十分なデータを得ることができなかった。 だが、本実験系は他の樹木にも応用できる。そこで、リンゴを用いて樹皮から浸透後のセシウム動態の可視化を実施した。本実験では、これまでのフィールド調査でセシウム動態を計測した結果と同様の結果を得ることができたことから、野外の果樹のセシウム動態予測における本技術の有用性を提示することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹木内部に浸透したセシウムは長く樹体内に留まるが、これはセシウムが他の栄養元素と共に体内を巡り、体外へ排出されにくいためと考えられる。今後十分起こり得る原発事故のリスクを正確に評価するためには、放射性セシウムの再転流とそれを制御する輸送メカニズムが及ぼす影響を理解しなければならない。 本研究成果は果樹のセシウム動態をリアルタイムに追跡することができ、かつフィールド調査と同様の結果が得られた。本実験系は多くの果樹に適用できることから、今後は果実へセシウムを運ばない手法や、セシウム蓄積を制御する遺伝子の同定などへの発展が期待できる。
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