研究課題/領域番号 |
21KK0003
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
小林 仁 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立東洋陶磁美術館, 課長代理 (00373522)
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研究分担者 |
鄭 銀珍 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立東洋陶磁美術館, 主任学芸員 (20531263)
村串 まどか 東京電機大学, 工学部, 研究員 (20868880)
阿部 善也 東京電機大学, 工学研究科, 助教 (90635864)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2026年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 天目茶碗 / 宋代 / 建窯 / 中国 / 伝世品 / 理化学分析 / 出土品 / 東アジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本伝世の国宝の曜変天目や油滴天目など中国宋時代の天目茶碗の主要な産地である福建省建窯窯址の考古発掘出土資料及び日本への天目茶碗の流通を考える上で重要な韓国高麗時代の遺跡出土の中国産天目茶碗及び関連資料について、美術史学と考古学による基礎的な研究を行うと共に、蛍光X線分析装置などの化学組成分析調査を取り入れ、若手を含む研究者が中国と韓国において国際共同研究を行うものである。
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研究実績の概要 |
本国際共同研究は、中国と韓国の考古発掘出土資料の調査研究を通して、①日本、中国、韓国の研究者による宋代天目茶碗の学際的な国際共同研究の基盤構築を目指し、②日本に伝世する天目茶碗の新たな意義や価値の認識による東アジア的視点での再評価を進め、③伝世の天目茶碗の世界的宝庫である日本の当該研究分野におけるリーダーシップと知的プレゼンスの向上を図り、④日本所在文化財の国際共同研究の一つのモデルとして、国際的に活躍できる研究者の養成につなげることを目的とする。 今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により現地での調査研究ができない状況であったが、海外研究協力者との連絡調整、国内での文献資料やデータの収集や整理、国内伝世品・出土品の調査、理化学分析などを実施した。 とりわけ、伝世品については禾目天目や虹天目、灰被天目など建窯及び関連諸窯および日本産の瀬戸天目の作品調査と理化学分析を進めることができ、覆輪の材質分析なども併せて行い、日本伝世品の状況や今後の産地同定の重要な基礎資料とすることができた。また日本国内の出土資料については、油滴天目と考えられる資料の分析調査を行い、油滴天目の成分や微細構造などを理解する重要な手がかりとなった。また、建窯以外の茶洋窯(灰被天目)や北方系天目の出土資料についても分析を行い、建窯との相違の理解と、今後の産地同定を行う上での貴重なデータを得ることができた。 研究成果の公表については、海外の国際学会でのオンライン発表と共著論文の学会誌への投稿、講演会や講座などでの紹介、さらにはNHKでの番組などにもその成果の一部が紹介されるなど、研究成果の社会的還元にも努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、中国や韓国への渡航、調査出張ができず、本研究課題の核心部分である現地機関での出土資料調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き国内での文献資料やデータの収集や整理、国内伝世品・出土品の調査、サンプル陶片等の理化学分析など現地での出土資料の調査研究に向けての準備作業を進めるとともに、国内での関連作品や資料についても積極的に調査を行う予定である。これにより、今後の現地出土資料の調査研究を効果的に進め、国内伝世品や出土品との比較研究にもつなげていきたいと考えている。また、新型コロナウイルス感染症も落ち着き、海外渡航も可能となりつつあるので、次年度は中国や韓国への調査を視野に入れ、現地研究者との調整を進めていく予定である。
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