研究課題/領域番号 |
21KK0009
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福田 正宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20431877)
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研究分担者 |
森先 一貴 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90549700)
太田 圭 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (30908520)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | サハリン / 更新世/完新世移行期 / 新石器化 / 国際学術交流 / 更新世/完新世移行期 |
研究開始時の研究の概要 |
長年の日露国際学術交流実績にもとづき、5カ年計画でサハリン国立大学との国際共同研究を実施し、これまで未解明であったサハリン島における後期旧石器時代末~新石器時代初期の文化動態を明らかにする。1年目は既存資料の分析調査などを行う準備期間とし、2~5年目に遺跡発掘調査を実施し、独自に得た新資料に徹底分析を施す。日露間に確固たる国際学術交流基盤を形成するとともに、東アジアにおける土器出現・新石器化に関する世界的な研究動向に新視点を与える。
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研究実績の概要 |
本研究では、サハリン国立大学との国際共同研究を実施することにより、これまで未解明であったサハリン島における後期旧石器時代末~新石器時代初期の文化動態を明らかにすることを主たる目的としている。 当初の計画ではロシア連邦・サハリン国立大学考古学教育博物館と共同発掘調査を実施して学術交流を進める予定であったが、ロシアに関連する国際問題が大きく影響し、今年度も日ロ間で国際学術交流を推進することができなかった。したがって今年度はオンラインによる意見交換と議論を行った。 一方で、スウェーデンのルンド大学で、ワークショップ“First Nordic-Japan Bipolar Research Seminar in Prehistoric Archaeology”を同大学と共同開催し、ユーラシア大陸の東西で新石器文化の軌跡を比較する新たな研究の可能性について議論した。また、同大学が調査を進めているスウェーデン南部中石器時代遺跡群の視察や、デンマーク国立博物館訪問により、スカンジナビア半島南部及びグリーンランドにおける最新の調査研究動向を把握するとともに、北方寒冷地の遺跡保存に関する意見交換を現地調査者たちと行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際関係の悪化に伴いロシア国内の共同発掘調査を実施することはできなかったが、ユーラシア大陸の東西端の間における比較研究に着手することができた。これは、日本列島北辺域及びロシア極東における更新世/完新世移行期以降の新石器文化動態を、地球人類史の中でいかに位置づけるかを、安易な相対化に満足することなく、地元の現地調査結果に根ざした視点から論じるための端緒となるものである。
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今後の研究の推進方策 |
国際情勢の変化に伴い、日ロ間における国際学術交流の推進ができない状態にある。海外共同研究者とは緊密に連絡をとっており、両国間の関係が改善されるまで本研究の柱となる現地野外調査の開始は遅らせる必要があることの合意は得られている。現地とは学術的課題を共有しており、関連遺跡の調査は先方が単独で進めている。オンラインによる情報共有と議論はできているため、今後もこうした通信手段を積極的に活用しデータを蓄積したい。また、新たに着手したユーラシア東西の比較研究は、世界的な研究の潮流を意識したものであり、現状においてロシアと国境を接する西側諸国の研究者たちがロシア国内の遺跡群を扱うための具体的かつ有効な代替案となりうるものである。これを積極的に推進したい。
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