研究課題/領域番号 |
21KK0021
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
窪田 悠一 日本大学, 法学部, 准教授 (40710075)
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研究分担者 |
大林 一広 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30598149)
冨永 靖敬 法政大学, 経済学部, 准教授 (40779188)
田中 有佳子 (坂部有佳子) 共立女子大学, 国際学部, 専任講師 (50732715)
佐藤 章 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 主任調査研究員 (60450491)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 内戦 / 反乱軍 / 経済政策 / 経済 / データセット / 事例研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本国際共同研究の目的は、国内武力紛争(内戦)下の反政府武装勢力(反乱軍)による市 民経済の管理・統制のメカニズムとその影響を理論的、実証的に明らかにすることにある。 本研究では、反乱軍経済やその影響について、定量的な分析を可能にするデータセットの構築と現地調査を含む事例研究を通して考察する。内戦下の反乱軍は、なぜ、またどのように市民経済に関与するのか、またそうした経済政策や市民経済との関係は紛争の動態や市民の意識や政治社会行動にいかなる影響を及ぼすのかという問いに多角的にアプローチすることで、反乱軍経済だけでなくその領域統治メカニズムの解明に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
当該年度には、内戦下の反乱軍が、なぜ、またどのように市民経済に関与しようとするのかを明らかにするため、複数の内戦事例と反乱軍組織を対象に、彼らの経済政策の特徴と変化に関するデータの収集を行った。ここでは特に、農林水産業や鉱工業などの別に、反乱軍が市民経済にいかなる手段で、どの程度介入しているのかに焦点を当てた数量データのコーディングを行っている。年度末までにはアジアや中東地域における反乱軍の経済政策に関する情報の収集を実施した。また、この作業の過程ではウプサラ大学(UU)平和・紛争研究学部に所属する海外共同研究者からフィードバックを受け、研究の進め方などについて意見交換を行った。
さらに、反乱軍の経済政策や市民経済との関係が市民の意識や政治社会行動に及ぼす影響を明らかにするため、ジーザス大学平和研究・活動センター(UJ-CERAP)(コートジボワール、アビジャン)に所属する海外共同研究者との打ち合わせ・意見交換を行った。これは次年度以降に実施する本調査の事前準備と位置付けており、調査の対象地域や方法について協議を行った。特に、コートジボワール内戦では新勢力(FN)が支配した北部地域ではカカオ、コーヒー、イモ類、天然ゴムの生産を中心とした農業が盛んであることに加えて、内戦の期間中からダイヤモンドの採掘や林業などの天然資源に依存した経済が存在し、FNもこうした産業から収益を得ていたことから、上記の事前準備が重要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では次年度に本調査を実施する予定であった。しかしながら、調査地の選定や対象者のサンプリングに関する情報収集や事前準備に十分な時間をとる必要があることから、これを次々年度にずらした。また現地(コートジボワール)の天候不順による農作物の不作具合が例年と比べて大きいことを考慮し、適切なデータの収集の観点から農家を対象とする調査を次年度に実施することは難しいと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
反乱軍の経済政策に関する事例分析を進める。
また、コートジボワールでの調査に向けて、調査対象地域の選定や標本集出方法の特定などを2024年度中に行い、2025年度に実査を行う。調査では、各世帯の家計活動に対する実験的な介入を行うとともに、人口統計学的、また内戦時の経験などに関する情報を質問票調査によって収集する。調査設計は研究組織のメンバー全員が担当するが、コートジボワールを訪問して現地の共同研究者の協力のもと進める。収集した個票データは入力・クリーニング作業の後に分析に用いることとし、論文の形式で公開する。これらの成果は国内外の学会やワークショップで報告し、国際学術誌からの刊行を目指す。
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