研究課題/領域番号 |
21KK0024
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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研究分担者 |
張 テイテイ 東北大学, 経済学研究科, 特任助教 (60803046)
長谷部 弘 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (50164835)
佐藤 睦朗 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (90409855)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 地域金融組織 / 小口金融 / 日欧対比分析 / 市場経済形成期 / 事例研究 / 社会的「共同性」 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日欧の市場経済形成期における地域金融組織について、特にその信用と社会的共同性との存在形態を軸に対比することによって、各国各地の近代的金融制度が登場する以前の金融組織ないし金融活動の特性を明らかにしてみようとする。本研究では、当該期の日本における講や無尽といった小口金融組織をとりあげ、英国ケンブリッジ大学に出向き現地研究拠点として取り組む欧州各地公文書館における史料調査および対比分析の基準とし、小口金融の組織と活動の様々な事例の再検討作業を行 う。信用・信頼の本質に関わるそのメカニズムを解明 するために、本研究では、日欧既存の分厚い研究成果を効果的に対比させる。
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研究実績の概要 |
本研究計画は、日本独自の「イエ」を基点に、西洋で「家」を発見し、「家計」形成を見出すという着想を基礎とし実証した成果をもって地域小口金融に関する存在形態を究めるというものである。したがって、近代的地域金融組織の日欧対比を行い、市場経済形成期農村社会のあり方に対して新たな視点からの分析をおこなう。本研究計画の主要調査対象地域である日本の長野県上田市上塩尻およびイギリスのケンブリッジ州ウィリンガム教区を対比した実証研究として本研究計画の成果の一部として公刊済みの拙著『村の相伝・日英対比研究編;社会的DNAの検出』(刀水書房、2021年)および長谷部・髙橋・山内編著『近世日本における市場経済化と共同性;近世上田藩上塩尻村の総合研究Ⅱ』(刀水書房、2022年)をベースとして、海外共同研究者として参画するフィンランド・ヘルシンキ大学社会科学史学部准教授ベアトリス・モリング博士教授を2022年度学術振興会外国人研究者招へい(短期)事業で迎え、2023年3月に滞在中に連続国際公開シンポジウム・セミナー(2023年3月16日・26・28日愛媛大学、3月21日上田)を開催した。そこでの議論をもとに高橋とモリングの共同論稿を日本語および英語でそれぞれ公刊(参照業績)している。さらに、2023年4月にスウェーデン・ヨーテボリ大学で開催されたESSHC(ヨーロッパ社会科学史学会)における学会報告を本研究計画の成果公表の一部としておこなっている('Savings Institutions in Eighteenth Century Japan' 参照業績)。また、本研究計画の柱の1つである対比経済史における系譜学的アプローチについての論考をまとめている。(参照業績)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度初めのころまでには、それまでのコロナ禍による移動制限がほぼ払拭されたため、これまで本プロジェクトの実施についての足かせもほとんどなくなり、これまでの遅れをほぼ取り戻せたと判断できるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、本研究計画の主幹研究対象地における実地調査・資料調査を海外共同研究者とともに遂行していく。その一環として、学術振興会海外研究者短期招へい制度への申請を引き続き行う。それとともに、世界的にオープンアクセス化が進むデータを活用しながら、本研究計画の研究成果の一部としてオンライン上の系譜学的データ提供をも含めてデータ共有および構築を進めていく方針をたてている。
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