研究課題/領域番号 |
21KK0038
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
馬場 卓也 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (00335720)
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研究分担者 |
中和 渚 関東学院大学, 建築・環境学部, 准教授 (00610718)
日下 智志 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (00909591)
渡邊 耕二 宮崎国際大学, 教育学部, 教授 (30736343)
高阪 将人 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (50773016)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 算数ニューメラシ / 10進位取り記数法 / 現地文脈 / 表現形式 / パターンと構造 / 診断的評価法 / 算数ニュメラシー / 十進位取り階層構造 / 現地文脈的見方 / 数学教育 / 低学力 / 構造とパターン / 十進位取り記数法 / 現地専門家 / 現地専門的知識 / カリキュラム開発 / 制度化 |
研究開始時の研究の概要 |
先進国では近代学校教育制度を立ち上げる過程で社会的なニーズを取り込んできた。ところがアフリカの国々では、20世紀初頭植民地政府によって学校教育制度が持ち込まれ、独立後も、その影響が継続している。21世紀になって世界的な取り組みにより、アフリカの教育開発は量的に著しく改善した。しかしSACMEQなどの教育調査は、極度の低学力を示している。本研究は、その問題の本質を、カリキュラムにおけるモデル借用(Phillips & Ochs, 2003)にあるとみて、「現地調査で集めたデータを現地文脈に基づく見方(文脈的見方)と学術知に基づく見方(学術的見方)を統合的に解釈、考察するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、ザンビア児童の初等算数能力(ニュメラシー)に関する研究である。広島大学では、院生をJICAボランティアとして現地学校に派遣するザンビア特別教育プログラムを2002年より実施しており、本研究では、プログラム実施の過程で得られた研究の着想(極度な低学力への診断的評価アプローチ)と、ザンビア大学チームとの共同研究によって支えられている。第一フェーズは2018年から2021年にかけて100までの数の認識と計算について調査を行った。その成果を踏まえて、第二フェーズでは2021年から2025年まで実施中である。今回の診断的評価アプローチは、1000までの自然数概念と四則演算、小数第一位の数概念とそれらの四則演算を対象としている。それらは、高次の数学(線形性、連続性、関係的理解)に向けた次の一歩として、中核概念(十進法の階層構造、比例的関係、連続性)の展開に取り組むことである。タスクは大きく3つに分けて、数概念及びその表現、大小比較、計算とその意味として行っている。 2023年度は、2023年9月に第三回現地調査、2024年3月(4月まで継続)に最終段階の事前調査を行った。その間、2023年11月にはザンビアチーム3名と、SEAMEO-RECSAMから1名の研究者を招聘し、広島大学にてザンビアニュメラシー調査に関する国際セミナーを行った。ちょうど同時に、JICA算数カリキュラム研修を実施しており、ガーナ、フィリピン、南アフリカなどからの算数カリキュラム開発関係者も参加して、初等算数カリキュラム、評価の在り方について意見を交換した。それらを経て評価ツールの完成版をまず作成した後、介入教材、教師用ガイド、事前事後評価テストを12月から3月にかけて作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年1月から2月にかけて現地で感染症の流行から、本研究では2か月弱予定をずらす必要が出てきた。ザンビアでは9月以降、実質的に教育活動が行われないため、事後評価までを2024年8月までに終了する予定で進めている。ぎりぎりの状態で進めているが、これまで培ってきた研究チームの能力や団結力から、2024年度中に現地調査を終えることは可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に事前調査として収集したデータに引き続き、4、5月に教授的介入を行い、6月末には事後調査を行う予定である。7月に国際学会(ICME)での発表を予定しており、その後は収集データの精査、分析を行う。また、本国際共同研究は、ザンビア大学、ザンビア教育省と研究を行ってきており、2025年3月には研究成果を公表する場を設けることでこれらの機関、そして広くザンビア教育界に働きかける計画である。 2025年度は、論文執筆を主とする。また貴重なデータを集めており、ザンビア大学、ザンビア教育省によって高く評価されているので、オープンデータや教科書作成など、さらなるデータの有効活用を検討しているところである。
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