研究課題/領域番号 |
21KK0055
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
奥村 聡 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40532213)
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研究分担者 |
並木 敦子 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20450653)
新谷 直己 東北大学, 理学研究科, 助教 (80880103)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | カルデラ噴火 / クリスタルマッシュ / 発泡 / 流動化 / 減圧実験 |
研究開始時の研究の概要 |
大量のマグマを地表へ噴出し地表環境を劇的に変化させる巨大カルデラ噴火は,発生の頻度は低いが将来も必ず発生する.カルデラ噴火では,ほぼ固結し流動性を失ったマグマが噴出することがある.冷たい地殻内部で大量のマグマが形成される過程では,マグマが冷却し結晶化が進み,必然的にクリスタルマッシュが形成される.本研究では,マグマ中に存在する気泡がクリスタルマッシュを流動化させ,その結果地表へマグマが上昇可能になるという説を検証するために,カルデラ噴火の噴出物解析,クリスタルマッシュの流動化実験,さらに流動のモデル化を行う.
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研究成果の概要 |
カルデラ噴火ではしばしば流動性を失った高結晶量マグマ(クリスタルマッシュ)が噴出する。本研究はマグマ中に存在する気泡がクリスタルマッシュを流動化させ,その結果地表へマグマが上昇可能になるという説を検証することを目的とした。減圧発泡実験を行った結果,減圧率が高い場合に気泡がマグマ流動化を引き起こす一方で,減圧率が小さい場合や段階的に減圧が進む場合には形成された気泡がマグマから分離してしまい流動化しないことが分かった。これらの実験的結果と実際のカルデラ噴火の条件(減圧履歴や減圧速度)を組み合わせて考察すると,カルデラ噴火においては気泡がクリスタルマッシュを流動化することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カルデラ噴火は発生頻度は高く無いが,一旦発生すればその地表環境への影響は非常に大きい。本研究では,カルデラ噴火を引き起こすクリスタルマッシュの噴出原因を明らかにする研究を進めた。これまで明らかにされていなかったクリスタルマッシュ中での気泡形成を詳細に調べた結果,クリスタルマッシュが流動化するためにはマグマが急激に減圧される必要があることが分かった。さらに,実際のカルデラ噴火ではそのような急激な減圧が達成されている可能性が示され,クリスタルマッシュを噴出するカルデラ噴火の発生原因は急激な減圧と気泡形成である可能性が提案された。
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