研究課題/領域番号 |
21KK0067
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田中 洋介 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20283343)
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研究分担者 |
稲田 優貴 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00735532)
塩田 達俊 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10376858)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 光ファイバセンサ / 分布計測 / ブリュアン散乱 / 温度計測 / ひずみ計測 / 電力線監視 / FBGセンサ / ブリユアン散乱 / 振動計測 / 光ファイバセンシング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マレーシア国民大学およびマレーシアの電力会社テナガ・ナショナルの研究所から構成されるマレーシア側の研究グループのメンバーと協力し、電力線の絶縁破壊を早期発見するための高感度で高空間分解能な光ファイバセンサを開発することを目的とする。電力線の異常は、一般には放電現象の直接観測から検出するが、理論的に送電状態の異変に伴うわずかな局所的温度上昇や異常な振動から早期に発見できる。電磁雑音の影響がなく、軽量で柔軟な分布型光ファイバ温度・振動センサを使えば、電力線の絶縁破壊兆候を早期に、しかも従来の電気的手法では正確には分からなかった発生個所も含めて、高感度測定できると期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、分布型光ファイバセンサによる温度または振動測定を利用した電力線の絶縁劣化初期段階の観測について、その具体的な手法を実際の電力施設を用いて確立することにある。研究の第一段階の目標は、送電状態を変化させ、分布型光ファイバセンサで測定される電力線長手方向の温度分布や振動分布の変化との関係を明らかにすることとした。2023年度後半になり、コロナ禍による海外渡航制限も緩和されたため、2024年1月中旬、ついに当初の計画どおり代表者の渡航が実現し、マレーシアの電力会社テナガ・ナショナルの研究所(TNBR)内で共同実験を行った。この実験では、現地で実際に使用されているものと同等の電力線を用意し、センシング用に光ファイバを電力線に沿わしたり、埋め込んだりした。また、熱電対による計測も比較のため同時に行い、これらで測定される温度分布について、電流伝送状態との関係を検討した。熱電対による測定とファイバセンサによる測定結果は、整合性が取れており、電力線に沿って、連続的に測定可能なファイバセンサの優位性が確認できた。一方、電力線上の一部の領域では一定の誤差も確認されたが、これが設置方法に起因するものであり、その改善方法についても指針が得られた。この実験とは別に、2023年度はマレーシア側の研究者とオンラインでの議論を進め、高速、高精度な分布型光ファイバセンシング手法について検討を行い、ハードウェアとソフトウェアの両面を有機的に連動させた新手法を提案し、実験室においてその動作確認に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、後半になり、コロナ禍による海外渡航制限も緩和されたため、2024年1月中旬、当初の計画どおり代表者の渡航がついに実現し、マレーシアの電力会社テナガ・ナショナルの研究所(TNBR)内での共同実験により一定の成果が得られた。また、ファイバセンシング手法についても、新提案と原理確認を日本側の実験室内で行うことができた。しかしながら、これまでの遅れを取り戻せる状態になってはきたものの、全体としては遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、日本国内で検討した新手法をあらためて、現地の実験施設に導入し、有効性の検討を進めていきたい。
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