研究課題/領域番号 |
21KK0069
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐野 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (80550368)
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研究分担者 |
水谷 大二郎 東北大学, 工学研究科, 助教 (30813414)
Amarasiri Mohan 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50815537)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | スリランカ / 下水管路劣化予測 / 下水水質情報 / 微生物起源解析 / 土壌微生物 / 微生物起源追跡 |
研究開始時の研究の概要 |
先進国・途上国の都市域では一般的に集中型の下水処理システムが稼働しており、良好なアセットマネジメントにより下水道事業の持続可能性を維持する必要がある。しかしながら、下水インフラは地下に設置されているものが多く、施設の劣化予測を精度良く行うことが困難であった。本研究では、微生物の起源を同定する手法であるMicrobial Source Tracking(MST)の手法を応用し、下水管の破損部分から混入する土壌由来の微生物の下水中に占める割合を空間的・時間的に把握することで、下水管破損箇所を推定し、かつ下水管劣化速度の予測に適用するための新規手法を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、スリランカにおいて、微生物の起源を同定する手法である微生物起源解析の手法を応用し、下水管劣化箇所を推定するための新規手法を開発することを目指すものである。スリランカ及び日本国内の調査地点において下水サンプルの取得し、採取した下水から総DNAを抽出して、腐食した下水管路からの検出頻度が高い細菌種由来遺伝子の同定を行った。その結果、硫化水素を生成する嫌気性バイオフィルムの検出についてはDesulfobulbus属が、コンクリート腐食の検出についてはThiothrix属が適していると考えられ、腐食した下水管路の場所を示す遺伝子マーカーとして使用可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水・衛生環境に係る単独の開発目標SDG「2030年までに全ての人々が清浄な水と改善されたサニテーション施設(トイレ)を利用可能にする」を根拠として、水関連インフラの発展途上国へ導入が促進されている。しかしながら、水関連インフラの導入に適正なアセットマネジメントが伴わなければ、将来に渡っての維持管理が滞り、2030年にSDG6を達成できたとしても、最終的に世界中の多くの地域で上下水道事業が破綻に至ってしまうことが懸念される。本研究で同定された遺伝子マーカーは、下水管路劣化を追跡することを可能にするものであり、適正なアセットマネジメントを行う上で強力なツールとなりうるものである。
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