研究課題/領域番号 |
21KK0086
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中村 一穂 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30323934)
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研究分担者 |
武田 穣 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40247507)
和久井 健司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 技術職員 (50914628)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 浄化槽 / 水処理 / バイオリアクター / 南インド / 汚水処理 |
研究開始時の研究の概要 |
途上国で求められる分散型・完全自立型の汚水(し尿、生活雑排水)処理技術の開発を目的とし、浄化槽(分散型汚水処理プロセス)を、新規酸素溶解デバイスによる省エネルギー化(エネルギーの自立)、および微生物動態に基づくAIアルゴリズムによる運転(維持管理の自立)により、完全自立型とするための基礎的な研究・開発を行う。まず、南インドにおける汚水・バイオマスの特性と生物処理特性の調査をVITと共同で行い、技術ニーズを明確にし、新規酸素溶解デバイス、AIを活用したDO制御および維持管理アルゴリズムを用いたプロトタイプリアクターの開発を行い、南インドにおいて自然エネルギーを利用した実証試験を行う。
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研究実績の概要 |
本国際共同研究は、主に発展途上国における水処理ニーズに応える分散型・完全自律型の汚水(し尿・生活雑排水)処理技術の開発を目的として、日本の独自技術である浄化槽(分散型汚水処理プロセス)を、新規酸素溶解デバイスによる省エネルギー化(エネルギーの自立)、および微生物動態に基づくAIアルゴリズムによる運転(維持管理の自立)により、自立型とするための基礎的な研究・開発を計画した。共同研究先は、南インド・ベロールのVIT (Vellore Institute of Technology) Prof.Maheshの研究グループである。検討項目は、(1)南インドにおける汚水・バイオマス(し尿、生活排水、バイオマス、量など)の特性と生物処理特性(分解特性ほか)の調査、(2)プロセスのエネルギー解析と省エネルギー型の酸素溶解デバイスの開発、(3)AIを活用したリアクターの特性の解析とDO制御および維持管理アルゴリズムの開発、(4)南インドにおける自然エネルギーを利用したプロトタイプリアクターを利用した実証実験である。1年目に基礎的な検討を日本インドで並行して開始し、2年目に南インドにおける基質(汚れ成分ほか)、生物の挙動を把握するための現地の典型的な処理設備(ベロール近郊、バンガロール近郊の計4か所以上)についてその性能の調査を行った。2、3年目からは、現地に設置するバイオリアクターの設計を設置の準備を開始し、現在設置場所をVITのVelloreキャンパス内とし、リアクターの導入工事を開始した。この間に、リアクターへのセンサーの設置、クラウドを利用したインド、日本におけるデータモニタリングシステムの開発、日本においてはラボレベルのプロトタイプリアクターによる計測制御実験を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年目は、2年目までの研究成果(現地に水質調査)、ラボによる基礎試験に基づき、現地に設置するバイオリアクターの設計と設置の準備を開始した。現在設置場所をVITのVelloreキャンパス内と決定し、キャンパス内の排水管路との接続仕様、リアクターの仕様の決定、導入工事を開始した。工期の関係で3年目の終わり時点で導入は完了していないが、次年度の計画には大きく影響しないことから、研究計画は概ね順調に進展した。またこの間に、リアクターへのセンサーの設置、クラウドを利用したインド、日本におけるデータモニタリングシステムの設計と開発を行い、また、日本においてはラボレベルのプロトタイプリアクターによる計測制御実験を進め、この点では計画よりも進展させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
VITキャンパスに設置されるバイオリアクターの運転データのオンラインモニタリングとその解析を中心に検討する。また、リアクター内の菌叢解析を行い、日本における典型的な菌叢との差異について解析し、現地に適した運転条件の検討を行う。日本においては、ラビレベルのリアクターによる計測制御システムにより、主にばっ気ポンプの出力制御を目的とした最適な運転管理アルゴリズムの検討を行う。VITに導入したリアクターでは、安定した運転が達成できるようになった後に、太陽光パネルを模擬した電力変動による運転の影響の検討を行う。
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