研究課題/領域番号 |
21KK0103
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
佐伯 雄一 宮崎大学, 農学部, 教授 (50295200)
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研究分担者 |
城 惣吉 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (20721898)
山本 昭洋 宮崎大学, 農学部, 准教授 (30452915)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 根粒菌 / ササゲ / リョクトウ / Bradyrhizobium属 / B. yuamingense / ダイズ / 群集構造 / 温帯 / 熱帯 / マメ科作物 / 多様性 / 環境傾度 / 温帯ー熱帯 / フィリピン / 気候変動 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の気候変動の実態に鑑みて地球規模の環境傾度に着目した土壌微生物生態を明らかにすることは、未来の日本農業や熱帯農業にとって重要な課題である。本研究では、日本と同じ島嶼国であり、国土の経度がほぼ同じで緯度の違いにより熱帯に位置するフィリピンに着目する。特に窒素を共生窒素固定に大きく依存するマメ科作物の栽培において、各種マメ科作物に共生する根粒菌に焦点を当て、両国におけるマメ科作物の根粒菌の多様性や群集構造の比較解析および窒素固定能の評価を行うことにより、土着根粒菌の多様性と群集構造を明らかにし、気候変動に対応した根粒菌のマメ科作物生産への利用を図る。
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研究実績の概要 |
現在の気候変動の実態に鑑みて緯度などの違いによる地球規模の環境傾度に着目した土壌微生物生態を明らかにすることは、未来の日本農業や熱帯農業にとって大変重要な課題である。本研究では、日本と同じ島嶼国であり、且つ国土の経度がほぼ同じでありながら、緯度の違いにより熱帯に位置するフィリピンに着目し、熱帯性マメ科作物の根粒菌群集構造の解析を行なっている。2023年度は、フィリピンCentral Luzon State Univ.(CLSU) の圃場と島根大学・宮崎大学の圃場で栽培したVigna属マメ科作物の根粒菌群集構造の解析を行なった。 ササゲ、リョクトウをそれぞれの圃場で栽培し、着生した根粒からゲノムを抽出し、16S-23S rRNA gene ITS領域をターゲットとしたアンプリコンシークエンス解析を行なった。得られたデータからAmplicon Sequence Variant (ASV)と構築した系統樹から得られた種構成を解析した。その結果、感染根粒菌はBradyrhizobium属であり、宮崎・CLSUではB. yuamingenseが優占していた。島根ではB. elkaniiとBradyrhizobium sp.が優占していた。ASVを元にした群集構造の比較では、栽培地点による明確な差異が認められ、ITS配列レベルでは異なる菌株が土着化していることが示唆された。 日本国内でダイズを栽培している限り、B. yuamingenseは検出されないが、フィリピンでダイズを栽培するとB. yuamingenseがダイズ根粒菌として優占している。2023年度研究で着目すべき点は、宮崎においてVigna属を栽培した場合、感染根粒菌のほとんどがB. yuamingenseであり、南日本においてもB. yuamingenseが土着化していることを明らかにした点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにフィリピンと日本の圃場で、ダイズ、ササゲ、リョクトウの感染根粒菌群集構造の解析を実施し、地域に特徴的なAmplicon Sequence Variantおよび属種の同定を行ない、考察することができている。本研究における、ITS領域の多型を元にした解析では、ダイズ根粒菌はCLSUでその根粒菌群集構造が大きく変化するのに対して、Vigna属根粒菌では島根で群集構造の大きな変化が起きていることを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、熱帯緑肥作物であるセスバニアやクロタラリアについて研究を進める。さらにマメ科作物に感染した根粒菌の解析に続き、土壌DNAを元にした土壌中の根粒菌群集構造の解析を進め、感染根粒菌群集構造との比較解析により、感染における親和性について解析を進める。
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