研究課題/領域番号 |
21KK0124
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
谷原 史倫 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90754680)
|
研究分担者 |
下田 宙 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (40719887)
田中 良法 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (00747933)
音井 威重 徳島大学, バイオイノベーション研究所, 教授 (30311814)
|
研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | アフリカ豚熱 / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 / ブタ |
研究開始時の研究の概要 |
アフリカ豚熱(African Swine Fever: ASF)は家畜豚への驚異的な伝搬力と致死率から世界の養豚業を破壊しうる伝染病であり、現在までワクチンを含む治療法はない。本研究は、細胞内に侵入したウイルスDNAを特異的に切断・失活させるCRISPR/Cas9システムを体内で発現させることで、ASFウイルス感染防御能を付与したブタを作出する。現在もASFが散発し多数の野生株を保存しているベトナムで2機関と共同研究を行い、ASFウイルス感染抵抗性の実証を行う。
|
研究実績の概要 |
アフリカ豚熱(African Swine Fever: ASF)は家畜豚への驚異的な伝搬力と致死率から世界の養豚業を破壊しうる伝染病であり、現在までワクチンを含む治療法はない。本研究では、ブタの体内に発現させた遺伝子切断酵素Cas9とCas9を標的ゲノム配列に誘導するガイドRNA(gRNA) により侵入してきたウイルスDNAを切断・失活させるという発想のもと、ASFウイルスを標的としたCas9/gRNA発現ブタを作出する。細胞内に発現させたゲノム編集システムにより感染時に侵入してきたASFウイルスDNAを切断し、ASFウイルスの増殖を阻害することで感染防御能を付与する。現在もASFが散発し多数の野生株を保存しているベトナムで2機関と共同研究を行い、ASFウイルス感染抵抗性ブタ系統の作出を試みる。 細胞レベルでの感染実験をベトナムで実施するため、日本国内で初代ブタマクロファージにSV40LT遺伝子とpTERT遺伝子を組み込んだ不死化ブタマクロファージの作製に着手した。ウイルスベクターを用いてSV40LT遺伝子とpTERT遺伝子を導入する準備は完了し、現在は腎臓および血液から初代ブタマクロファージの単離を行っている。加えて、昨年度はCOVID-19の感染拡大の影響でベトナムに赴くことはできていなかったが、本年度は共同研究実施先のVietnam National University of Agricultureへ実際に赴き、共同研究者との打ち合わせを行い、研究実施にむけた環境整備と実験系のセットアップを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずは細胞レベルでのアフリカ豚熱感染実験を実施するための細胞株の樹立に着手し、SV40LT遺伝子とpTERT遺伝子のクローニングと配列確認、ウイルスベクターへの組み込み等が完了した。さらに、令和6年度から行うトランスジェニックブタの作出について、胚での顕微注入条件等の予備検討を開始し条件の最適化が完了している。研究はおおむね順調に進展している 令和5年度から必要となるベトナムにおける実験系のセットアップも、実際にVietnam National University of Agricultureに赴き本年度で完了することができたため、進捗状況に問題はない。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更は現時点では無く、まずはCRISPR/Cas9システム発現コンストラクトを不死化ブタマクロファージに組み込んだうえでベトナムで実際に流行しているアフリカ豚熱野外株を用いた感染実験へと展開する。 ベトナムへの渡航も通常通り行える情勢となりつつあるため、研究計画通りに研究を推進していく予定である。
|