研究課題/領域番号 |
21KK0126
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
塩田 拓也 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 准教授 (20819304)
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研究分担者 |
田岡 東 金沢大学, 生命理工学系, 教授 (20401888)
宮崎 亮次 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30827564)
竹田 弘法 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (80816588)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 大腸菌 / 磁性細菌 / グラム陰性菌 / 膜タンパク質 / マグネトソーム / 中性子反射率法 / BAM複合体 / 外膜 / ベータバレル / マグネットソーム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、in vivo、in vitroでの解析、また構造生物学や生物物理学的手法の進歩により時間分解能もしくは、空間分解能のどちらかが非常に高い解析が可能となってきたたが、両者を同時に行える手法はまだ未開発である。その候補として、本国際共同研究では、複数の状態変化を内部構造も含めて詳細に解析できる「中性子反射率法」を、この手法の生体高分子への適応の第一人者であるオーストラリア、Monash大学Shen博士とともに実施する。技術適応を目指すモデルタンパク質として、グラム陰性菌の外膜タンパク質輸送装置、BAM複合体と、磁性細菌のマグネトソーム形成タンパク質MamQ、MamI、MamLに着目する。
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研究実績の概要 |
本研究は、生体高分子の高い時空間分解能での解析を目的とし、中性子反射率法、in vivoでの架橋法、クライオ電子顕微鏡、高速AFM、単離膜を用いたin vitro再構築実験の5つの手法を統合的に用いるものである。適用事例は、大腸菌の表層形成タンパク質と磁性細菌のマグネトソーム形成タンパク質である。 BAM複合体では、輸送タンパク質との短時間の相互作用の調査のため、律速段階で停止させて中性子反射率法と架橋法で解析した。その結果、BamDが輸送タンパク質を認識することを見出し、その分子形態を決定できた。また、基質タンパク質とBamDの複合体のX線結晶構造解析を試みそのサンプル調整条件を検討した。 次に、BepAはLptDの成熟を促進・分解するプロテアーゼであり、そのBAM複合体との相互作用様式をin vivo光架橋解析により調査した。その結果、BepAが活性部位を塞ぐループ構造を開いた状態でBAM複合体と相互作用することが示され、この構造変化がBepA機能に重要であることが示された。 さらに、PpiD/YfgM複合体の構造・機能解析においては、PpiDがSec複合体近傍でペリプラズムシャペロンとして機能し、DsbAとも相互作用してその機能を補助することが判明した。 最後に、磁性細菌のマグネトソーム形成機構の解析では、MamQ、MamI、MamL、MamEという4つのタンパク質が膜小胞形成に必須であり、これに約30種類のタンパク質が関与することが示された。Qind株を用いた研究では、MamIが小胞形成時に相互作用するタンパク質を同定し、MamQ、MamE、MamO、MamA、MamK、MamYがマグネトソーム誘導時に特異的に検出された。特にAmb0998タンパク質が膜小胞形成に関わることが示唆され、その機能解析が進行中である。
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