研究課題/領域番号 |
21KK0130
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 啓雄 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 教授 (60314176)
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研究分担者 |
寺井 洋平 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 准教授 (30432016)
糸井川 壮大 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (30910492)
辻 大和 石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (70533595)
荒川 那海 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 特別研究員 (90844754)
井倉 毅 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (70335686)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 味覚 / 霊長類 / 毛色 / 有袋類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、インドネシアWallacea地域周辺で進化した哺乳類について、日本とインドネシアの研究者が協力することにより、先端的な分子研究を行うことを目指している。そのために現地(インドネシア)にDNAやRNAを用いた研究の拠点を立ち上げ、国境を越えた生物資源の移動無しに最先端の研究を実施する環境を形成する。それによりインドネシアと我が国双方の若手研究者を育成すると共に、以下に挙げるいくつかの生物進化の謎を解き明かす。具体的には、味覚と毛色という身体の内外の二つの表現型を対象に、霊長類と有袋類の進化が遺伝子の機能進化なのか、遺伝子発現変化なのかを解明する。
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研究実績の概要 |
2023年度はマカク類と有袋類それぞれに毛色関連遺伝子等の解析を進めた。 マカク類については寺井と研究協力者のYan Xiaochanが、2023年11月にインドネシアを訪問し、スラウェシ島北中部にてM. nigraとM. tonkeanaの毛根からDNAとRNAの採取を行い、ボゴール農科大学で核酸抽出とライブラリの構築を行った。さらにこれらの網羅的な解析を井倉らと共同で行った。それぞれの種で毛色パターンが異なる背側と腕のRNAseqの結果、スラウェシマカク類の毛色制御に関わるいくつかの遺伝子候補を挙げることができた。また、2023年6-8月にインドネシアのボゴール農科大学から共同研究者のKanthi Widayatiが来日し、苦味受容体TAS2R38について実験を実施した。その結果をこれまでの結果と比較しながらdisucussionを進めた。 また、有袋類についてはWidayatiと同時期にボゴール農科大学からUrsula Paulawati Maker とAksamina Maria Yohanitaが来日し、それぞれBandicootとCuscusの毛色関連遺伝子MC1Rと毛色の多様性についてDNA配列の比較による相関解析を行った。その結果、BandicootのMC1Rについては毛色と関連するSNPが明らかになった。また、cuscusについては種に特異的な変異がMC1Rの機能多様性に関わっていることをカルシウムイメージング実験により示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マカク類については前年度と合わせて4種のマカク類の毛根からRNAを抽出してRNAseq解析まで進めることができたため。また、有袋類についてもBandicootのMC1Rの種内多様性とMC1Rの関連を解明することができた。cuscusについても、MC1Rの機能解析を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
RNAseqの解析をさらに進めると共に、RT-qPCR等の手法により、その妥当性を検証する。最終年度になるため、これまでの結果を論文や学会等で発表する。
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