研究課題/領域番号 |
21KK0139
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
津久井 久美子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (00420092)
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研究分担者 |
柳川 泰昭 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, フェロー (10771371)
森岡 翔 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 客員教授 (60870029)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | トロゴサイトーシス / ファゴサイトーシス / 侵襲的相互作用 / 赤痢アメーバ |
研究開始時の研究の概要 |
真核細胞は貪食により共生細菌を獲得した貪食性古細菌を由来とし、基本的に貪食能力があると考えられる。しかし特に多細胞生物では貪食は貪食専門細胞が行う特別な現象と捉えがちである。本研究では貪食専門細胞ではない動物細胞と原生生物を用い、多様な貪食の分子機構を解明することを目指す。特に生きた標的細胞を一部だけを取り込むトロゴサイトーシスについて研究を行う。日本の寄生性原虫研究者と米国のアポトーシス細胞貪食(エフェロサイトーシス)研究者が協力し、これまで見逃されてきた貪食を介した細胞間相互作用の解明を目指す。本研究から侵襲的相互作用も含めて影響し合う、新たな真核生物像を示す。
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研究実績の概要 |
動物細胞トロゴサイトーシスモデル確立に向け、バージニア大学にて一過的に遺伝子を高発現させたLR73細胞による貪食アッセイ方法の研修を行った。CHO細胞の亜株であるLR73細胞はエフェロサイトーシス活性が亢進した株であり、体細胞由来食細胞のモデルとした。7種類のRho低分子量GTPaseをトランスフェクションし、トロゴサイトーシス、エフェロサイトーシスへの効果を検討したが、トロゴサイトーシス特異的に亢進または阻害効果を示すRhoは見いだせなかった。 赤痢アメーバにおけるトロゴサイトーシスに伴うCorss-dressを、前年度に樹立した方法で検討した。赤痢アメーバ標準株と5種類の臨床分離株について、Jurkat細胞のトロゴサイトーシスに伴うMHC class IとCD59(補体阻害分子)の赤痢アメーバ表面への表出効率を評価した。意外なことに標準株と臨床分離株でトロゴサイトーシス及びCross-dressに大きな差は見いだせなかった。一般に臨床分離株は標準株よりハムスター肝膿瘍モデルにおいて高い病原性を示す。よってトロゴサイトーシスとCross-dressに病原性以外の機能が示唆された。 赤痢アメーバにおけるトロゴサイトーシスとファゴサイトーシスに伴う遺伝子発現変化の解明を目的に、RNA-seq解析を実施した。Jurkat細胞を標的細胞とし、生細胞または死細胞として0、2、4、6時間赤痢アメーバを共培養した。全RNAを抽出した後、RNA-seq解析を実施した。現在発現レベル変化を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用する細胞株を決定できず、動物細胞での実験系の進捗が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
日本のラボでトランスフェクション高いトランスフェクション効率を示す細胞株を用いて実験を進める。
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