研究課題/領域番号 |
21KK0144
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 浩 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80362531)
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研究分担者 |
吉村 通央 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40597936)
小林 稔 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (40644894)
諏訪 達也 京都大学, 生命科学研究科, 研究員 (00914863)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | がん / 微小環境 / 低酸素 / バイオマーカー / 増感 / 放射線治療 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍組織の内部には低酸素領域が存在し、がん放射線治療抵抗性にかかわっている。個別化放射線治療を実現するには、患者毎に異なる腫瘍内低酸素の量をモニターして、放射線治療効果を予測する手法を開発することが必要である。本研究では、『低酸素がん細胞が血中に分泌しする分泌タンパク質』に着目し、(1)当該分泌タンパク質が低酸素がんによって発現・分泌されるメカニズムを解明するとともに、(2)海外共同研究者がもつ抗体作成技術を活用して、当該タンパク質に対する抗体を作成し、当該タンパク質の血中濃度を指標に腫瘍内低酸素の量・放射線抵抗性・患者の予後を予測する「高感度の評価系」を確立する。
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研究成果の概要 |
腫瘍組織の内部には血管から十分な酸素が供給されない低酸素領域が存在し、がんの悪性形質と治療抵抗性を誘導している。これまでに我々は、放射線治療を生き残った低酸素がん細胞が酸素環境の良い血管近傍に浸潤して、がんの再発を引き起こすがんの再発機構を解明してきた。また、がんの増殖・浸潤・転移能を亢進する新規遺伝子経路を同定してきた。これらの知見を個別化医療の実現に繋げるためオックスフォード大学との国際共同研究を展開し、同経路の活性化機構の解明、同経路を標的とするPOCの取得、同経路を阻害する物質の創出を行った。また、この治療戦略が有効な低酸素画分の多い患者を予測するマ―カーの開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低酸素刺激に曝されたがん細胞の中で活性化する新規遺伝子経路の作用機序と機能を解明することで、がんの本質理解の深化に繋がった。また、がん治療における放射線治療の限界を克服し、がんの再発と治療抵抗性を減少させる新たなアプローチの可能性を提示した。がん患者の生存率と生活の質の改善に対いて将来的に貢献することが期待される。
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