研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
先天性下垂体機能低下症(CPHD)は下垂体ホルモンの低下により、全身の代謝異常やQOLの異常などを発症する疾患です。稀な疾患ではありませんが、原因が不明な点も多く、診断に苦慮することが多いのが現状です。本研究ではCPHD患者における、原因遺伝子の新しい手法による同定や、母体内での環境因子曝露によるCPHDの原因解明などを目標とし、診断の向上、疾患発症予防に向けた取り組みを目指します。
本研究は先天性下垂体機能低下症の原因・病態について、申請者の持ちうるマテリアルを米国ミシガン大学のSally Camper研究室の持つ先進的な手法を用いて解析を行うものである。[母体内環境因子曝露による下垂体機能低下症]Otx2遺伝子のヘテロ接合性変異マウスのICRバックグラウンドでの母体内にアルコール施注したembryoでは、下垂体形成の明らかな異常を認めることができなかった。そのため、発症閾値を考慮した実験が必要なのではないかと考え、C57BL/6を25%含んだ胎児を用いて検討を行ったところ、ラトケ嚢の形態異常や分化に関する異常が認められた。すなわち、現状の結果では、先天性下垂体機能低下症の発症要因として、遺伝的バックグラウンド+遺伝子変異+環境要因によって発症しうるものと考えられた。この結果は、下垂体のみならず、様々な先天性疾患の原因がこのような機構で起きていることを示すものと考えられる。現在、視床下部形成シグナルの異常について検討を開始している。この機構を明らかにすることで、メカニズムも含めて本概念について次年度早々には提唱し得るものと思われる。また、RNA シーケンスなどを用いて環境因子の意義について評価する予定である。[日本人サンプルを用いた、新規先天性下垂体機能低下症の原因遺伝子の同定]申請者の所属する神戸大学医学部の他、複数の共同研究者から先天性下垂体機能低下症の患者サンプルを収集し、ミシガン大学でのMIPS解析中である。
3: やや遅れている
マウスモデルについては視床下部形成シグナルについて染色過程がうまくいかず、RNA scopeへの移行に時間を要した。また、MIPSについてはbioinfomaticianの解析に時間を要している。
マウスモデルの解析を継続し、新規原因遺伝子が同定された場合には、下垂体若しくは視床下部特異的遺伝子欠損マウスの作成、解析を予定する。また、メチローム解析でのエピジェネティック変化についても検討を考えたい。
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