研究課題/領域番号 |
21KK0150
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
滝澤 仁 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (10630866)
|
研究分担者 |
HO Pui・Yu 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特定事業研究員 (40888385)
山下 真幸 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80588038)
|
研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
|
キーワード | 造血幹細胞 / 自然免疫シグナル / 免疫記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
血液幹細胞は一生を通じて血液と免疫を作り出す源泉となる細胞であり、骨髄内で自分自身を作り出す自己複製能と様々な細胞へと分化する多分化能を持つ。本研究計画では自然免疫シグナルが高齢血液幹細胞に免疫記憶を誘導し、感染症や炎症に対してより応答性のある血液・免疫系を構築するという“幹細胞の免疫能再活性化(プライミング)”という仮説を検証する。幹細胞、自然免疫、炎症、情報技術を専門とする若手研究者が国際的、学際的かつ多様性に富んだチームを編成し、血液・免疫老化を攻略する革新的な研究成果に繋げる。同時に、国や研究室を跨いだボーダーレスな人事交流を行うことで、世界の舞台で戦える次世代研究者の育成を進める。
|
研究実績の概要 |
血液幹細胞は一生を通じて血液と免疫を作り出す源泉となる細胞であり、骨髄内で自分自身を作り出す自己複製能と様々な細胞へと分化する多分化能を持つ。本研究計画では代表者らがこれまでに見出した、細菌による血液幹細胞制御に関する知見をさらに発展させ、自然免疫シグナルが高齢血液幹細胞に免疫記憶を誘導し、感染症や炎症に対してより応答性のある血液・免疫系を構築するという“幹細胞の免疫能再活性化(プライミング)”という仮説を検証する。本年度は自然免疫シグナル活性後の造血幹細胞についてシングルセルRNA-/ATAC-seqデータの取得を行なった。また、マスサイトメトリーを用いてヒストン修飾解析を行い、刺激後に有意に変化した修飾についてChip-seqを行なった。これらのシングルセルデータはシンガポールの共同研究者に送られ、各データを統合したシングルセルデータ解析法の構築とプライミング遺伝子の絞り込みを行なっている。今後は、さらに複数のヒストン修飾についてChip-seqデータを取得して候補遺伝子を絞り込んでいく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シングルセルデータの取得もほぼ終わり、解析パイプラインも構築して鋭意解析を進めている。また、自然免疫シグナル刺激1ヶ月後のマウスに敗血症を誘導し、刺激なしの群に比較して有意に生存が延長した。このことは自然免疫シグナル活性化が免疫記憶を誘導して敗血症に対する個体の抵抗性を高めていることを示唆している。さらに、そのメカニズムとして造血幹細胞から分化したマクロファージが関与している可能性を示唆するデータを得ている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は免疫記憶を誘導した細胞の特定及びそれを司る遺伝子の同定及び機能解析を進めていく。具体的には刺激後の造血幹細胞から誘導したマクロファージの機能解析、造血幹細胞のシングルセル解析から推定される候補遺伝子の強制発現またはノックダウンによる機能解析、同定された遺伝子の制御による造血幹細胞の機能増強について実験を進めていく
|