研究課題/領域番号 |
21KK0161
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宿南 知佐 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60303905)
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研究分担者 |
樋口 真之輔 神戸大学, 附属学校部, 附属中等教育学校教諭 (20847131)
濱田 充子 広島大学, 病院(歯), 助教 (30760318)
高橋 治子 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 助教 (70775767)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | Tenomodulin / Scleraxis / メカノバイオロジー / 腱・靱帯 / 顎関節 / 腱 / 靱帯 / 運動器 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋・腱・靱帯・軟骨・骨などの各運動器コンポーネントの形成において、力学的刺激が重要な役割を果たすことは知られているが、連結されて一体化した成体の運動器の恒常性維持に寄与する力学的刺激応答性の細胞群の増殖・分化制御に関する理解は深まっていない。本研究では、腱や靱帯で特異的に発現する力学的刺激応答性分子であるTenomodulinやScleraxisに着目して、運動器コンポーネントの連結部のメカノセンシングやメカノレスポンスの実体を、細胞、組織、個体レベルで統合的に解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
Scx欠失ホモマウス、ヘテロマウスと野生型の2週齢のアキレス腱から抽出したRNAを用いて、RNAseqによるトランスクリプトーム解析を行っている。メカノセンシングに関連する遺伝子群に着目して解析を行っており、定期的に開催しているドイツ側とのZoomミーティングによって結果を議論している。ドイツ側では、ヒトの真皮由来の線維芽細胞を用いた3Dオルガノイドモデルを構築し、Dexamethasone(Dex)の効果などを検討した。Dexは腱分化の促進には有効ではなく、高濃度ではオルガノイド形成に負の作用を示したが、未処理あるいは低濃度のDex処理を行ったオルガノイドの腱関連遺伝子の発現プロファイルは腱由来の細胞によって形成されたオルガノイドとほぼ同等であることを見出している。前年度に引き続き、新規の伸展刺激応答性エレメントを同定するために、マウスScx遺伝子とTnmd遺伝子の上流と下流を含むゲノム領域を分割し、minimal promoterを有するpGL4.23ベクター、あるいは、promoter lessのpGL4.10ベクターに組み込んでDual luciferase assayを行っている。これまでに、ScxCre KI;RosaTomatoマウスの解析で、生後、Scxが骨組織でも発現することが見出されているので、ScxGFPレポーターマウスの非脱灰骨切片を用いた免疫染色によって、Scxが骨のどのような部位のどのような細胞で発現しているかを解析した。Scx欠失による下顎骨の形態変化と筋肉などの軟組織の関係を調べるために、野生型マウスの新生仔をルゴール液に浸漬後にマイクロCTで撮影し、得られた画像を用いて、Amiraによる立体構築を行うシステムを確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のため、ドイツの共同研究者との交流はオンラインに限られていたが、定期的なミーティングによる情報交換を行い、双方で実験を進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子改変マウスを用いて、顎関節と膝関節の特異性を明らかにするために、川本法による非脱灰切片での免疫染色やin situ hybridizationによる解析を進める。3D可視化解析ソフトウェアAmiraを3D Proへアップグレードすることが出来たので、定量的な解析を行って、野生型とホモマウスの違いを明らかにする。細胞株を用いたDual luciferaseassayを行うとともに、Omicsデータを共有し、メカノセンシングに関わる遺伝子の絞り込みを進める。Web会議による研究打ち合わせは定期的に行っているので、令和5年度は、渡独を実施し、オルガノイド構築に向けた実験を進める。
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