研究課題/領域番号 |
21KK0166
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 昭彦 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30531389)
|
研究分担者 |
渡邉 香奈子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80626094)
相澤 悠太 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90808453)
泉田 亮平 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00888042)
|
研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2026年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | パレコウイルスA3 / 新生児 / 早期乳児 / 世界的疫学 / 流行予測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、世界の7研究拠点と協同し、小児のパレコウイルスA3(PeV-A3)感染症の前方視的サーベイランスを実施する。そして、世界各研究拠点からの患者検体を用い、診断法、全ウイルス解析、流行因子、重症化因子について、英国、米国、香港の4研究室に若手研究者が出向き、国際共同研究を行う。この研究で得られる結果は、今後流行が予想される小児のPeV-A3感染症の流行と重症化の予測を可能にし、新しい予防法と治療戦略に寄与する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、パレコウイルスA3(Parechovirus-A3, PeV-A3)感染症の国内外の疫学を明確にし、また、その重症化因子について検討することである。PeV-A3は、COVID-19パンデミックの影響で、2020-21年と国内と海外拠点から報告がほぼなかったが、2022年には、共同研究者の米国Marcy小児病院のDr. Selvaranganらが、米国における症例の急増を報告した(J Clin Virol. 2023160:105381)。2023 年に入ると、国内からも症例の報告が相次き、我々が行っている国内のサーベイランスでも、2023年には90例を超える報告があった。この様に、COVID-19パンデミックにより減少していたPeV-A3患者は増加し、その流行が本格化している。感染症今後も、より大きな流行をきたす可能性がある。 本年度は、海外拠点との前方視的サーベイランスを継続しながら、患者検体の収集を継続した。また、海外拠点と流行の状況について、継続的に情報交換を行った。また、我々が昨年度実施した国内のPeV-A3の系統樹解析の結果(J Infect Dis. 2023 11;227:288-294)を基に、海外拠点での遺伝子情報と比較する基盤整備を行った。また、我々が昨年度同定したPeV-Aの新しい受容体(Myeloid-associated Differentiation Marker, MyADM)(Nat Commun. 2023;14:1817)について、児の重症化にどのように関与するのか、異なる人種におけるこの受容体の発現の差などを含めて、今後、更なる検証を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、COVID-19パンデミックの影響もほぼなくなり、海外への渡航が可能となり、2023年10月に米国感染症学会で、米国の共同研究者であるDr. Selvaranganと学会期間中に会い、米国と日本の流行状況の報告、今後の研究の方向性について、話し合いを行う機会を得た。また、英国の共同研究者であるDr. Tangが2024年10月に来日し、同様に、英国と日本の流行状況の報告、今後の研究の方向性について、話し合いを行う機会を同様に得た。これによって、米国、英国のPeV-A3の感染状況について最新情報を得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は、これまでの前方視的サーベイランスを継続しながら、患者検体の収集を継続し、更に、これまで実施することができなかった海外拠点での訪問と研修を行う予定である。具体的には、2024年10月に行われる米国感染症学会の学術集会に合わせて、米国Mercy Hospitalを訪問し、米国におけるPeV-A3の診断法についての研修を行う予定である。また、他の拠点の訪問についても、今後検討予定である。
|