研究課題/領域番号 |
21KK0192
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小野寺 真一 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 教授 (50304366)
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研究分担者 |
齋藤 光代 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (20512718)
濱 侃 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (10851579)
張 潤森 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50785235)
LEE CHUIYING (李 翠盈) 広島大学, Town & Gown未来イノベーション研究所, 特任講師 (60911021)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 東南アジア / 汽水養殖 / 栄養塩循環劣化 / 健全化 / 再循環システム |
研究開始時の研究の概要 |
世界的に増加する食糧需要に対し、持続可能な水産資源の増産と活用は必要不可欠である。一方で、特に東南アジア沿岸域で拡大する内水面養殖により、土地利用の改変に加え、沿岸地下水や海域への汚濁負荷が増加し、周辺生態系の衰退(栄養塩循環の劣化)が生じている。 本研究では、内水面汽水養殖が盛んで、都市化も進行し、さらに津波災害の影響も加わることで栄養塩循環の劣化が進行するインドネシア沿岸を対象に、これらの要因による沿岸への栄養塩負荷の増大を定量化し、水域生態系による栄養塩吸収とその食糧・肥料へのリサイクルによる負荷軽減効果およびそのシステムの社会実装への展開について経済・政策面から評価することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、内水面汽水養殖が盛んで、都市化も進行し、さらに津波災害の影響も加わることで栄養塩循環の劣化が進行するインドネシア沿岸を対象に、これらの要因による沿岸への栄養塩負荷の増大を定量化するとともに、水域生態系による栄養塩吸収とその食糧・肥料へのリサイクル(オフセット)による負荷軽減効果およびそのシステムの社会実装への展開について経済・政策面から評価することを目的とし、令和4年度は1年目に引き続き以下のとおり実施した。 (1)栄養塩負荷量評価:沿岸流域における養殖域拡大や都市化が栄養塩負荷に及ぼす影響について、インドネシア・ジャワ島流域を対象に既存データの収集を行うとともに、流域水文水質モデル(Soil & Water Assessment Tool: SWAT)を適用し解析を行った。現状都市化の影響が十分表現できていないため、大阪などの既存解析結果をもとに修正していく予定である。 (2)生態系栄養塩吸収量評価:リモートセンシング(主に衛星データ)および既存の現地調査結果に基づき、河畔域-沿岸域間の水域生態系バイオマス情報を収集した。 (3)栄養塩再循環システム構築:水域生態系バイオマスを食糧や肥料に活用する栄養塩リサイクルシステムの栄養塩循環改善効果とその社会実装への展開について、流域の環境物質循環(食糧や肥料などの需給)を含む環境経済分析(経済的な価値評価)、および環境政策分析を行うための社会経済情報を収集し、解析を行った。 また、2022年12月には現地でハイブリッドワークショップを開催し、100人以上の出席の中広く情報共有を行った。また、インドネシア側共同研究者が2023年2月に来日し、成果の取りまとめを行うとともに、2023年度開催予定の国際ワークショップについて検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響で、対象地域での観測および現地試料の収集が当初の予定よりも遅れているが、オンライン会議や現地研究者の協力のもと、解析などを双方で進めた。また、徐々に現地でのワークショップの開催や調査も開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現地での調査については、適宜実施していく。具体的には、8月、11月に予定している。特にこの2回の研究時には、研究対象地域の一つである郊外流域(インドラマユ)については現地研究者の研究プロジェクトとともに共同で実施し共有することで効率的に進める計画である。あわせて、本学およびAPNプロジェクトとも共同で国際ワークショップを12月に開催する計画であり、その際には現地での情報収集および共有を進めていく。
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