研究課題/領域番号 |
21KK0205
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
魚住 龍史 東京工業大学, 工学院, 准教授 (30738836)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | 生物統計学 / 希少疾患 / 臨床試験 / 統計的推測 / 小標本問題 / 中間解析 / データサイエンス |
研究開始時の研究の概要 |
近年,希少疾患に対する新規治療の開発は患者団体や医療機関から強く求められている.しかしながら,限られた母集団のもとでは,通常の臨床試験デザインや統計解析手法が適用できないことが課題として挙げられる.本国際共同研究では,基課題を発展させるために,国際的に活躍している海外共同研究者と協働して,希少疾患に対する臨床試験に適用可能な,新たな統計解析手法を開発することを目指す.
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研究実績の概要 |
本国際共同研究の目的は,国際的に活躍している海外共同研究者と協働して,患者数の限られる希少疾患に対する臨床試験に適用可能な,新たな統計解析手法を開発することを目指すことである. 本年度は,希少疾患に対する臨床試験に適用可能な中間解析手法の開発を目指した.臨床試験では,新規治療の開発効率を上げるために,試験の途中段階で中間解析が行われることが多い.中間解析の目的は,新規治療の有効性が検証された場合の早期有効中止と,最終的に有効性が検証される確率が極端に低いことが判明した場合の早期無効中止を行うことにある.しかしながら,希少疾患の臨床試験から得られる小標本データにもとづき中間解析を実施する場合,真値から大幅に乖離した計算結果が得られ,中間解析で誤った意思決定を行う確率が高くなってしまうといえる. 本年度の後期からイギリスに渡航したうえで,共同研究者と協働して,希少疾患のように限られたサンプルサイズのもとでも実施可能な中間解析手法として,早期無効中止を行う場合の指標の開発を試みた.共同研究者との議論のもと,まずは単群の臨床試験という簡便な状況設定にて,数値実験をもとに既存法(条件付き検出力や予測検出力)との挙動比較を行った.その結果,既存法の問題点を解決する提案法を考案できた.また,数値実験を行いながら,提案法の理論構築を行った結果,特定の確率分布に従うデータのもとでは,既存法の代替となることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,計画通りにイギリスに渡航し,提案法の考案まで達成できたため,おおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
次年度も,再度イギリスへ渡航し,引き続き共同研究者と協働して,本年度に考案した提案法について,並行群間比較試験の状況設定での理論構築を行う.数値実験では,さらに幅広い確率分布のもとでの性能評価を行い,提案法の適用可能性について吟味する
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