研究課題/領域番号 |
21KK0210
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村上 宏昭 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70706952)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | Biometrics / グローバルヒストリー / パスポート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、西洋近代で形づくられた複数の身体類型に焦点を当て、身体史研究に新たな光を投じることを目的としている。特に近代の旅券制度には、その発展の歴史のなかで可述的身体(言語で表象可能な身体)、可視的身体(視覚で認識可能な身体)、可読的身体(数値で解読可能な身体)という、少なくとも三つの類型が認められる。そこで本研究は旅券制度を軸にしながら、これらの身体の歴史的諸相や機能を詳らかにする。
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研究実績の概要 |
本科研費による助成を研究活動の一部として、2023年度に行った研究実績としては、学会発表1本、英語論文1篇、論集原稿執筆が挙げられる。 学会発表としては、2023年5月21日に開催された第73回日本西洋史学会大会における自由論題報告として、「ゲルゼンキルヘン・チフス裁判(1904年):疫病をめぐる科学と司法」というタイトルで研究発表を行った。これはルール地帯の中都市ゲルゼンキルヘンで発生したチフス流行をめぐる裁判を扱ったもので、公害問題の先駆けとして当時の水道会社や感染症研究所の動向を探ったものである。 英語論文としては、German History Societyが編集・刊行する査読付き国際学会誌『German Hisotry』(Oxford University Press)のVolume 42, Issue 1にて「Tuberculosis on Display. Tuberculosis Travelling Museums in Wilhelmine Germany」と題する論考を刊行した。これはヴィルヘルム時代の結核展覧会の動向を追跡したもので、これを通じて当時の結核問題の諸相を考察したものである。 論集原稿の執筆としては、代表者が編著者を務める論集『生体管理の近代史:個人識別技術と身体の情報化』(明石書店)の原稿(3章分)執筆ならびに他の諸論稿の取りまとめを行った。こちらはまだ原稿が揃っていないため未刊行となっているが、2024年度中に出版を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ・パンデミックも一応の終息を見たことから、2023年度はドイツ渡航と現地での資料調査をつつがなく実施できた。そのため、研究の成果もおおむね順調に発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、定期的なドイツ渡航と連邦文書館等における史料調査を進める。
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