研究課題/領域番号 |
21KK0211
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
塩谷 哲史 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30570197)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ヒヴァ・ハン国(ホラズム) / 水利灌漑 / アム川 / 歴史史料 / 口述資料 / ヒヴァ・ハン国 / ホラズム / 水利史、灌漑史 / 史料研究 / フィールドワーク / 灌漑史 / チャガタイ・トルコ語 / 中央アジア近現代史 / 中央ユーラシア史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中央アジア地域研究の重要課題となっている水資源問題について、その歴史的背景を明らかにする長期の研究計画の一部をなしており、歴史史料(現地語、ロシア語)、民族誌資料、口述資料を複合的に用いながら、周縁化期中央アジアにおける定住民と遊牧民の相互関係の変容が、水利用の変化と相互に関連し合いながらどのように進行したのかを、現地社会の視点から描く。
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研究実績の概要 |
2023年7月から2024年3月にかけて、数カ月間他の研究プロジェクトの研究遂行のための中断はあったものの、ウズベキスタン共和国科学アカデミー歴史学研究所および同国イチャン・カラ博物館での史資料調査、フィールド調査を実施できた。とくに、イチャン・カラ博物館のカーミルジャーン・フダーイベルガノフ氏、歴史学研究所のアドハム・アシーロフ氏との共同研究を遂行し、基課題と連動しながら指導助言をもらいつつ、一部は学術論文にまとめて投稿できた。 ただし、フィールド調査における聞き取りに関しては、その内容を共同研究者と検討したうえで、より史資料収集に重点を置くよう、研究計画を一部修正した。また現地における史資料の残存状況がよくない、18世紀から19世紀前半にかけての中央アジアの水利灌漑史に関しては、ウズベキスタン共和国タシュケントに所在するウズベキスタン共和国中央国立文書館に加え、カザフスタン共和国アルマトゥ市に所在するカザフスタン共和国中央国立文書館、アルメニア共和国エレヴァン市に所在するアルメニア共和国中央国立文書館の2か所において補足的な史料調査を実施し、オレンブルグおよびアストラハンで収集された中央アジアの水利灌漑史関連文書の所蔵状況を確認し、一部については調査することができた。またその際に得られた知見をもとに、18世紀のカスピ海と中央アジアとの間の交通、河川利用に関する研究報告を実施できた。 今後、18世紀から1991年のソ連解体、さらに独立後の数年間をカバーするホラズム地方に焦点を当てた中央アジアの灌漑史を記述する作業を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数か月の中断を含む2023年7月から2024年3月にかけての研究活動ではあったが、共同研究者との調査はおおむね順調に進んでいる。また基課題と連動した指導助言をもとに、成果の一部の公刊が進行中である点も、計画通りであった。ただしフィールド調査の成果が芳しくなく、文献史資料の収集に重点を置くようになった点については、研究計画に一部変更が生じることになった。ウズベキスタン共和国内外での史料調査は順調に進めることができたとともに、最終年度にそのフォローアップをする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、5月にウズベキスタン共和国科学アカデミー歴史学研究所で開催される国際ワークショップで成果の一部を公表する。8月から9月にかけて同研究所およびイチャン・カラ博物館での史資料調査、フィールド調査を計画している。またそれに加え、ウズベキスタン共和国中央国立文書館、カザフスタン共和国中央国立文書館、トルコ共和国総理府オスマン文書館等における史料のフォローアップ調査も行う予定である。これらの活動を通じて、18世紀からソ連解体前後に至る中央アジアの灌漑史を、ホラズムの事例を軸として記述することが可能になるだろう。
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