研究課題/領域番号 |
21KK0228
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
箕輪 佳奈恵 筑波大学, 芸術系, 特任助教 (60784915)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | art education / United Kingdom / anti-racism / cultural diversity / inclusion/inclusive / decolonisation / multicultural / intercultural |
研究開始時の研究の概要 |
近年の世界的な人権意識の高まりと共に、美術教育において文化的多様性に重点を置いた変革が求められている。この動向の実態を解明するため、本国際共同研究では特にアンチレイシズム的な立場から文化的多様性を目指すイギリスの美術教育に着目し、異なる人種、民族、宗教、アイデンティティに関する多様な文化の尊重・包摂が同国の美術教育においてどのように実現されようとしているのかを明らかにすることを目的とする。国際的・学際的な関心事である文化的多様性についての議論を美術教育の分野から大きくリードし、社会課題の解決に貢献するとともに関連研究分野への発展的展開につながる成果を挙げることを目指す。
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研究実績の概要 |
本国際共同研究は、多文化社会であるイギリスの美術教育における文化的多様性について特にアンチレイシズムの視座から調査し、異なる人種・民族・宗教・アイデンティティなどをめぐる多様な文化の尊重・包摂が美術教育の中でどのように実現されようとしているのか、フィールドワークを核とした民族誌学的手法による調査から明らかにすることを目的とする。この研究目的は、1.美術教育の文化的多様性をめぐる研究・教育実践の包括的な動向把握、2.多様な文化を美術教育に反映させた実践事例の収集、3.美術教育実践と文化的多様性との関係性の理論化、以上の3つの段階を踏んで達成する。 本年度末(1月末)から渡英し、Institute of Education(UCL)のDepartment of Culture, Communication and MediaにHonorary Senior Research Fellowとして滞在している。 渡航後の数ヶ月は、上記の研究プロセスの1.に相当する、海外共同研究者とのミーティングや文献調査、博物館・美術館・ギャラリーでの研究資料収集を中心に進めてきた。その過程で、イギリスにおけるアンチレイシズム的美術教育の実践および研究は、研究開始前の予想よりも遥かに進展していることがわかってきた。例えば、美術教育における人種と包括性に関する「Visualise」プロジェクトが、The Runnymede Trust(レイシズム研究などを担うシンクタンク)とFreelands Foundation(英国内の美術/美術教育の発展を目指す財団)によって現在進行中である。このプロジェクトは美術教育における多様性に関する全国調査を含んでおり、本研究と重なる部分も多い。共同研究者がアドバイザーとして参画している同調査の動向を注視しながら、本研究の参考としての活用の可能性も探っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
渡航を開始して以降、研究の初期段階を順調にクリアすることが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
上述の「Visualise」プロジェクトは、本研究課題との共通点が多く非常に有益である一方で、それとは別の研究として本研究課題独自の成果を上げる必要がある。現時点の同プロジェクトの方向性、また、イギリスのアンチレイシズム的美術教育研究および実践の動向を見るに、同国の美術教育における多様性とは、ブラック・アートおよびブラック・アーティストに特に焦点を当てる傾向が強いようである。よって、ブラック・アートやブラック・アーティストをめぐる研究も充実しているが、その他のエスニシティの美術教育における位置付けにはまだ未確立・未解明の部分があり、本研究が貢献出来る余地もそこにあるのではないかと共同研究者とも検討している。 引き続き、他の研究調査の動向を見ながら、今年度中頃には学校での調査を開始する準備を進める予定である。
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