研究課題/領域番号 |
21KK0236
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
平岡 大樹 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (60894764)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 養育 / 周産期うつ / DNAメチル化 / fMRI / 乳児の泣き声 / MRI / エピジェネティクス / 乳児の泣き |
研究開始時の研究の概要 |
周産期うつは家族機能や児の発達に重篤な影響を与えることから,その発生や妊娠期から産後まで症状が継続する機序の解明が急務となっている。本研究では,その候補機序の一つとしてDNAの後天的な修飾のひとつであるDNAメチル化に着目し,母親の幼少期の逆境経験や社会経済的地位が周産期の母親のDNAメチル化に及ぼす影響,さらにDNAメチル化の程度と母親のうつ症状や乳児関連刺激処理中の脳活動との関連を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は,妊娠中のストレスが乳児の泣き声に対する反応に与える影響,およびそのメカニズムを明らかにすることを目的としている。 本年度は主に,メールやビデオ会議を通して,渡航後の研究計画の詳細を確認した。解析に使用するデータは,海外共同研究者が実施している縦断研究のデータであり,その進捗が順調であることを確認した。また,採取済みおよび今後採取予定の唾液サンプルの数を確認し,DNA抽出までの渡航先での手続きと費用について議論した。 研究の詳細以外には,DS-2019やVISAの取得,渡航後の住居等の確保を行い,次年度の渡航に向けた生活面での準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定である妊娠中のストレス,DNAメチル化,乳児の泣き声に対する脳活動の関連についての解析は,事前の確認を通して,問題なく解析や統計解析を実施できる準備が整っているといえる。さらに,共同研究者が実施している縦断研究は周産期の母子についての様々な指標を測定しており,議論を通して,異なるプロジェクトの参画や解析の援助の方針が固まりつつある。全体を通して,当初の研究予定以上に,妊娠中の心理・行動が産後の母親や子どもの発達に与える影響についての研究が実施できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
渡航後は,まず唾液サンプルの所在や数を実際に確認し,DNAの抽出作業の準備を行う。University of Denverのラボ内にDNA抽出の環境が整っていなかったため,必要なDNA量の抽出を外部に委託する。その後,Wetな解析で得られたDNAメチル化に関するデータに対してDryの処理を行い,ターゲットとするオキシトシン関連の遺伝子のメチル化レベル,およびメチル化年齢の加速に関する指標を得る。そして,滞在先の研究室が実施している乳児の泣き声に対するfMRI活動との関連を検討する。その際,日本で類似のデザインで実施している研究のデータを比較し,文化差および文化普遍性についての議論を行う。また,本プロジェクトは妊娠中のストレスや薬物使用が産後の養育行動に及ぼす影響について着目しており,DNAメチル化の変化が上記の関連の媒介となる可能性を検討する。
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