研究課題/領域番号 |
21KK0262
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
山本 洋揮 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 主幹研究員 (00516958)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 材料・加工 / 半導体微細化 / ナノ加工 / ナノ材料 / レジスト |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ領域の超微細加工技術の開発は半導体産業のみならず、環境・エネルギー、医療、ライフサイエンス等の分野を支える重要な技術である。本研究では、開発したメタルレジストを活用したナノ配向ガイドとブロック共重合体の自己組織化を利用したこれまでにない分子サイズのミクロ相分離を組合せたトップダウンとボトムアップの融合による分子サイズに迫る微細加工技術の創出とそのリソグラフィ等の応用に挑戦する。具体的には、分子サイズに迫る微細加工技術に発展させ、リソグラフィ応用をはじめ、様々な分野を支える微細加工の根幹技術を開発する。
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研究実績の概要 |
ナノ領域の超微細加工技術の開発は半導体産業のみならず、環境・エネルギー、医療、ライフサイエンス等の分野を支える重要な技術である。近年、トップダウンの代表であるリソグラフィ技術の限界が唱え始められ、それを凌駕する微細加工技術の研究開発が国内外で進められている。本研究では、開発したメタルレジストを活用したナノ配向ガイドとブロック共重合体の自己組織化を利用したこれまでにない分子サイズのミクロ相分離を組合せたトップダウンとボトムアップの融合による分子サイズに迫る微細加工技術の創出とそのリソグラフィ等の応用に挑戦する。 令和4年度は量子ビームによるメタルレジストの加工によりナノ配向ガイドの作製を試みた。具体的には、金属酸化物ナノ粒子のコアとしてEUV吸収係数が高い3種類の金属コアおよび3種類のリガンドを選定し、計9種類のナノ配向ガイドの作製を100keVの電子線描画装置を使って試みた結果、ガイドパターンとして機能することを明らかにした。また、次年度のオーストラリア渡航へ向けた事務手続きおよび受け入れ先の共同研究者と研究や渡航に関してメールで議論・調整を行った。具体的には、オーストラリア渡航期間中の業務内容の相談、研究滞在ビザの申請に必要な書類の準備、航空券等の見積もりを行った。また、滞在予定先の研究協力者と渡航開始日および渡航期間の調整等といった事務的な打ち合わせを行い、オーストラリアにおける新型コロナウイルスの感染状況がよくなっているうちに、渡航および研究を開始するという認識を共有した。さらに、国際共同研究展開の準備として、日本学術振興会が主催するJSPS-LEADSNET事業研究者交流会に参加し、海外に滞在したことがある研究者から研究および現地での生活についての情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでにない分子サイズのミクロ相分離を組合せたトップダウンとボトムアップの融合による分子サイズに迫る微細加工技術を創出するために、令和4年度は金属酸化物ナノ粒子のコアとしてEUV吸収係数が高い3種類の金属コアおよび3種類のリガンドを選定し、計9種類のナノ配向ガイドの作製を100keVの電子線描画装置を使って試みた結果、ガイドパターンとして機能することを明らかにした。一方、当初計画では2022年1月~オーストラリアに滞在し、ブロック共重合体の合成を実施する予定であったが、コロナ禍の影響を受け、渡航日程の決定に時間を要し、現地に渡航する時期が遅れたため、現状では「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
特殊構造をもつ2つの高分子からなる「ブロック共重合体」の新たな分子・反応設計を試みる。海外共同研究者らが有する可逆的付加開裂連鎖移動重(RAFT)、および原子移動ラジカル重合(ATRP)法により嵩高い基や極性基の大きな違いをもつ単分散ブロック共重合体を精密合成し、分子サイズに迫る微細パターン可能なブロック共重体を探索する。また、オーストラリアシンクロトロンの放射光施設での斜入射小角X線散乱(GI-SAXS)実験を行う。
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