研究課題/領域番号 |
21KK0267
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 神奈川大学 (2022-2023) 明治学院大学 (2021) |
研究代表者 |
安部 淳 神奈川大学, 付置研究所, 研究員 (70570076)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
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キーワード | 性比調節 / 寄生バチ / Melittobia / 分散 / 協力行動 / 社会行動 / 種間比較 / 性比 / 協力 / 血縁選択 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は自己の利益を追求し利己的に振る舞うことがある反面、お互いの利益を高めるように協力的に振る舞う場合がある。一般に、遺伝子を共有する血縁個体どうしは協力的な行動を示しやすいことが知られている。本研究は、個体どうしが血縁認識をしない場合でも、分散が弱く血縁個体どうしが遭遇しやすい状況では協力的な行動が進化しやすいのかについて検討する。野外調査を行い、寄生バチMelittobiaの仲間の複数の種および個体群を採集する。DNA解析を行い、それぞれの種や個体群における分散の強さを推定し、そこで進化した性比と分散との関係を解析することにより、協力行動との関係について検討する。
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研究実績の概要 |
弱い分散により母親どうしの血縁度が増加する種や個体群ほど、協力的な雌偏向性比が進化するのかについて明らかにするため、アメリカの複数の調査地で野外調査を継続した。 昨年度は2, 3月に越冬世代を採集することができたので、今年度は8, 9月に調査を行い非越冬 世代を採集した。 フロリダ州南部のArchboldでは、寄主が使用した古い巣が多く確認でき、新たに営巣している寄主も確認できたが、Melittobiaの寄生はM. australicaによるブルードが1つ採集されたのみであった。フロリダ州北部のGainesville、ジョージア州のAthens、サウスキャロライナ州のColumbia、ケンタッキー州のWilliamsburgでは前回に引き続き多くの(すべて合計すると100以上の)M. femorataとM. australicaのブルードを採集することができた。マサチューセッツ州のBoston郊外でも新たに調査を行ったが、1地点で数ブルードのM. femorataが採集できただけであった。 採集したブルードを国内に持ち帰り、室内で生育個体を羽化させた。一部の個体で休眠誘導されたのか、未だに羽化していない個体も含まれるが、これまで羽化したブルードの性比を測定したところ、前回採集した越冬世代と顕著な差はこれまでのところ確認されなかった。しかし、それぞれの世代で大きくはないものの性比のばらつきがみられているので、今後の解析で血縁度等の個体群構造との関係が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外の野外調査では予想以上に多くのサンプルを確保することができた。しかし、それらの解析に時間を要してしまったが、今後アルバイトを雇用するなどして挽回したい。
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今後の研究の推進方策 |
採集したサンプルを解析し、複数の種と個体群ごとに母親間の血縁度などの個体群構造を明らかにし、それらと性比調節の関係を検討する。 さらに、研究計画には含まれていないが、オナガコバチの仲間でもこれまでに採集しているサンプルで大きな性比のばらつきが存在することが確認された。これまでに採集されているサンプルをMIG-seq等で解析し、本種においても性比調節と雌の分散にともなう血縁度等の個体群構造との関係を検討する。
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