研究課題/領域番号 |
21KK0280
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山城 貴弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (20826614)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | トランスポーター / イオンチャネル / クロストーク / 相互作用 / ピリドキシン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、最近、哺乳類で初めてのピリドキシントランスポーターを同定することに成功し、イオンチャネルをはじめとしたイオン輸送体とのクロストークにより、ピリドキシンの体内動態に関与する可能性を見出した。さらに、そのピリドキシントランスポーターの遺伝子変異に起因する疾患へのピリドキシンの関与も示唆された。本研究では、ピリドキシントランスポーターと相互作用するイオン輸送体を探索・同定し、それらのクロストークによるピリドキシン体内動態を解明すると共に、その遺伝子変異による病態とピリドキシン輸送機能との関連性の解明に取り組む。
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研究実績の概要 |
近年、トランスポーターとイオンチャネルとのクロストークが注目を集めており、それらが相互に機能を制御することにより、重要な生理的役割を果たすことが知られるようになってきている。申請者は、最近、哺乳類で初めてのピリドキシン(ビタミンB6)トランスポーターとして、SLC19A3を同定することに成功し、イオンチャネルをはじめとしたイオン輸送体とのクロストークにより、ピリドキシンの体内動態に関与する可能性を見出した。本研究は、SLC19A3と相互作用するイオン輸送体を探索・同定し、それらのクロストークによるピリドキシン体内動態の解明を目指すと共に、その遺伝子変異による病態とピリドキシン輸送機能との関連性の解明に取り組むものである。 本年度は、アフリカツメガエル卵母細胞を用いたTEVC(two-electrode voltage clamp)法により、SLC19A3と相互作用するイオンチャネルの探索を行った。その結果、SLC19A3との共発現が、チャネルXの活性を増大させることが明らかとなった。その一方で、SLC19A3と同様にピリドキシン輸送活性を有するSLC19A2との共発現では、チャネルXの活性に影響はみられなかった。 前年度までに、ピリドキシン輸送機能の低下がみられたLeigh脳症やBTBGD(biotin-thiamine-responsive basal ganglia disease)の原因となるSLC19A3の13種の遺伝子変異体について、タンパク質発現量を検討した。その結果、7種の変異体において、顕著なタンパク質発現量の低下がみられた。したがって、この7種の変異体については、発現量の低下が輸送機能の低下の要因となっていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SLC19A3との共発現により、活性が増大するイオンチャネルを見出すことができた。さらに、SLC19A3の遺伝子変異に関する検討についても進展させることができた。以上より、概ね順調であると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
SLC19A3とチャネルXとのクロストーク機構の解明のため、SLC19A3とチャネルXを共発現させ、SLC19A3のピリドキシン及びチアミン輸送機能に及ぼす影響を解析する。さらに、共免疫沈降法により、SLC19A3とチャネルXが複合体を形成するか検証する。
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