研究課題/領域番号 |
21KK0295
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山本 祐太朗 金沢大学, 薬学系, 博士研究員 (30895446)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 三日熱マラリア / マラリアワクチン / 伝搬阻止 / ブラジル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ブラジルマナウスにあるFMT-HVD (熱帯病研究所)と国際共同研究を実施し、申請者が開発した三日熱マラリアワクチンの伝播阻止効果を現地で流行している三日熱マラリア原虫を用いて正確に評価する。具体的には、1)ブラジルにて三日熱マラリア原虫感染者より血液を収集する。2)感染者血液とワクチン接種マウス血清を混合した後、ハマダラカに吸血させるDMFAを実施する。10日後にハマダラカを解剖し、中腸内のオオシスト数を観察、その減少率にて伝播阻止効果を評価(目標値>90%)する。研究期間内には、論文投稿ならびに国際寄生虫学会ICOPA、アメリカ熱帯医学衛生学会ASTMHにて研究成果を発表する。
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研究実績の概要 |
昨年度は我々が独自開発した三日熱マラリア2価ワクチン (Pvワクチン)の伝搬阻止効果を評価するため、日本でBALB/cマウス10匹にPvワクチンを免疫し、Pvワクチン免疫血清を作製し、国際共同研究先のブラジル・マナウス・FMT-HVDに8-9月の1ヶ月間滞在し伝播阻止試験を実施した。 三日熱マラリアは日本には存在しない感染症である為、ブラジルとの国際共同研究が必須である。現地では、熱帯熱病院であるFMT-HVDに訪れる18-40歳性別の異なる4人の三日熱マラリア患者から血液を採取した。その後、マラリア検査キット及び顕微鏡観察により三日熱マラリア単感染であることを確認し、実験に用いた。その患者血液中には三日熱マラリア原虫が存在するのでハマダラカに吸血させることで蚊にマラリアが伝搬するのを利用してPvワクチン免疫マウス血清を混合しオオシスト数が減少するか検討した。 三日熱マラリア患者血液とPvワクチン免疫マウス血清を混合し、ハマダラカに吸血させる直接膜吸血法を実施し、吸血11日後、ハマダラカ1匹1匹を解剖し中腸内のオーシスト数を計測した。その結果、Pvワクチン免疫群はコントロール群と比較した所、4人の異なる患者血液を用いても95%以上の伝搬阻止効果を示した。また、これまでの研究データを国内学会 3回、国際学会1回発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Pvワクチン開発に成功し,マウスモデルにてブラジルで実際に流行している三日熱マラリア原虫に対し95%以上の伝播阻止両効果を発揮することを立証した。ブラジルでも滞在期間中に多くの三日熱マラリア患者が来院した為、研究を絶え間なく実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
R6年度は、マラリアが流行する8-9月の1ヶ月間ブラジル・マナウス・FMT-HVD滞在し、昨年度開発に成功した熱帯熱-三日熱マラリア2価ワクチン免疫マウス血清の伝搬阻止効果を評価する予定である。最終的な解析データを学術論文及び国際学会で発表する。また、本年度は新たに三日熱マラリア2価ワクチンを免疫し、長期的なワクチン効果を評価する。ワクチン免疫8ヶ月後の血液をブラジルへ持参し、伝播阻止効果の長期効果を検証する計画である。
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